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2020年08月22日

給料と年収の関係講座(3): 誰も教えてくれない手当と福利厚生の常識

 ども勉三です。「給料と年収の関係講座」の第三回目。前回までで基本給とボーナスを取り上げましたので、今回は手当と福利厚生と年収の関係について解説したいと思います。

年収という意味では「時間外労働手当」と「住宅手当」だけ気にすればいい

 手当てや福利厚生と名のつくものはたくさんありますが、年収という意味で大きなインパクトがあるのは「時間外労働手当」(いわゆる残業代)と「住宅手当」ぐらいです。その支給額や有無は会社によりますが、これらは大雑把に言って年間で50〜200万円程度になりますので、決して無視できません。

 それ以外の福利厚生、例えば財形貯蓄だとか共済会だとか保養所だとかは、金額メリットにすれば大きくて10〜20万円とかぐらいで、そこまで大したものではないので考えなくていいと思います。日系の企業はごちゃごちゃとくだらない福利厚生がついてきますが、そんなことするぐらいなら年収上げろよと言いたくなります。

 もちろん、業界、職種、会社によってはその他にも金額が大きい手当というのはあると思います。営業手当や出張手当といったものが毎日出るような職種であれば月に数万円〜10万円レベルは収入を押し上げるでしょうから、馬鹿にできないものです。ですが、そういった特殊な例を除けば、残業代と住宅手当だけ気にすればいいでしょう。

裁量労働制の場合は時間外労働手当は固定になっている場合も

 近年、大企業のホワイトカラーを中心に裁量労働制の導入が進んでおり、それが適用される場合には残業代は時間外労働の時間に依らず、毎月一定額を支給されることになります。その額は会社によりますが、基本給を時給換算したものを20〜25%程度割増し、さらに30時間をかけたものが目安になると思います。例えば、基本給24万円であれば、時給換算で1500円/時になりますが(計算式: 24万÷(8時間×20日))、時間外労働の割増率を20%とし、1500円×1.2=1800円で、これに30時間をかけて54000円です。

 つまり、その月にどれだけ残業しようとしなかろうと、毎月5万円程度が基本給にプラスされて支給されるということです。こう聞くと「じゃあ残業ゼロにすれば得じゃん」と思うかもしれませんが、多くの日系企業では労働時間で勤怠を管理しており、裁量労働といえども「あらかじめ月30時間程度の残業代を払ってるんだから、当然その分ぐらいは残業してね」という暗黙のプレッシャーを意味します。

 なお、裁量労働はある会社の中で全員に適用されるとは限りません。メーカーなどでは、入社後数年経って1つか2つ上の職位ランクに上がってからぐらいになると思います。あくまで自分で仕事の進め方をコントロールできる人向けという前提なので、入ったばかりのペーペーには適用されなかったりします。その場合は通常の残業時間に比例した残業代がつく形となります。

裁量労働でも深夜残業や休日勤務は残業代がつくケースが多い

 裁量労働と聞くと残業代が一切つかないと勘違いしている人もいますが、多くの企業では深夜残業(例えば22〜5時の残業など)や休日勤務などについては、時間に比例した手当がつくことが多いと思います。

 また、それ以外の通常の残業でも、ある一定時間(例えば月60時間)を超えるとそこからは裁量労働手当に加えて、残業代が通常通り発生するケースも多いと思います。

住宅手当か借上社宅か

 住宅手当のルールは会社によって異なりますが、持ち家または賃貸で世帯主の場合に、居住地に応じた金額が支給されます。当然、東京や神奈川では高く、地方では安くなります。金額は本当に会社によりますね。数万円から多いところだと月10万円を超えたりもします。

 もう1つ、住宅手当に似たものとして借上社宅というのものがあります。社宅と名前についていますが、イメージするような会社が持っている建物というわけではなく、各自で好きな物件を探し、会社が借主となって家主と契約を結ぶ仕組みです。この場合、その物件に住むのはあなたですが、家主と契約し家賃を支払うのは会社ということになります。

 借上社宅の場合は、社員は家賃を家主に払うのではなく、代わりに自己負担金を会社に払います。例えばあなたが都内で15万円の賃貸を選んで借上社宅として契約した場合、会社がその家賃15万円を支払ってくれますが、あなたはそのうち何割か(例えば5万円とか)を会社に支払う必要があるというわけです。

 上の例だと単純に考えると、毎月10万円の住宅補助が出ているのと一緒だと思うかもしれません。しかし、住宅補助として10万円が給与に上乗せされて支給された場合には、税金がかかるため実際には受け取れるのは7〜8万円程度になってしまいますが、借上社宅であれば税金が発生しないので、丸々10万円を享受できるメリットがあります。

 一方で借上社宅にもデメリットがないわけではありません。大きなデメリットは、あくまで会社が契約してくれているので、あなたがその会社を辞めた場合には退去する必要があるということです(場合によっては退職後も契約者名義を会社から本人に変更してそのまま住み続けられるケースもあります)。また、住宅補助と違って、額面の年収額が増えるわけではないという点も注意が必要です。転職時などは源泉徴収票の年収額が次の転職先の年収交渉のベースになるので、住宅補助で年収が水増しされているほうが有利と言えます。

 このように必ずしもメリットだけではありませんが、借上社宅は住宅補助より効果的に可処分所得を増やしてくれるありがたいものです。

手当は改悪されるものと覚悟しよう

 このように手当は足していけば意外と大きいものですが、1つ注意しなければならない点があります。それは、削られる可能性があるということです。

 実際、多くの企業でコストカットのため、住宅手当やその他の手当・福利厚生の縮小や廃止が進んでいます。新たに手当が増えるケースよりも、これまであった手当が削られたり減ったりするケースの方が何百倍も多いと思います。

 また、近年の働き方改革やリモートワーク推進で、残業時間は厳しく見直されるようになっており、基本給は安いが残業で年収を稼いできたタイプの会社や職種だと、今後年収が低下する可能性が高いでしょう。

 残業代はともかく、住宅手当だとかは仕事の報酬とは全く関係がなく、世界的に見ればおかしな制度であるという指摘もあります。また、近年は1つの職場で親会社正社員、子会社社員、派遣社員など異なる雇用形態の人が一緒に働くことが当たり前になり、同じような仕事をしているのにある人には住宅手当がつき、別の人にはつかないというのは、同一労働同一賃金に反しているという指摘もあります。実際の企業の本音としてはコストを減らしたいだけではありますが、こういった理由を建前としながら、今後も手当や福利厚生のカットは進んでいくと思われます。

 くれぐれも、今出ている手当が未来永劫続くものだとは仮定しないことが大切です。

最後に

 いかがでしたでしょうか。手当は今ちょうどコロナ禍でリモートワーク支援のための手当を増やす一方で、通勤手当(定期代)が削減されるなど、見直しが現在進行形で進んでいる部分でもあります。

 これまでは郊外に住み、通勤手当で定期券を購入し、その定期券を休日に使って都心に買い物に出かけるといったライフスタイルの人が多かったのではないかと思います。会社から定期代が出なくなると、出勤日は交通費が実費支給されるでしょうからいいですが、休日の移動が自腹になってしまって結構痛かったりしますよね。

 このように手当は社会情勢の影響も受けて変わりうるものであるという認識を持っていただければと思います。

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posted by 勉三 at 17:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 仕事・キャリア
2020年08月21日

給料と年収の関係講座(2): 誰も教えてくれないボーナスの常識

 ども勉三です。「給料と年収の関係講座」の第二回目。今回は、ボーナスにまつわる暗黙の了解を解説していきたいと思います。

ボーナスは直前の半期に対する評価である

 ボーナスの仕組みは会社によるので全てがそうだとは言えないのですが、多くの日系企業では年2回、夏(6〜7月頃)と冬(12月頃)に分けて支給され、夏のボーナスはその前年度の下半期の業績に対して、冬のボーナスは当年度の上半期の業績に対する支給という位置付けになっています。

 これはどういうことかというと、年度が4月始まりの会社の場合、2019年10月〜2020年3月の業績に対して2020年度の夏のボーナスが2020年7月頃に支給され、2020年4月〜2020年9月の業績に対して2020年度の冬のボーナスが2020年12月頃に支給されるということになります。

 従って、2020年4月入社の方は夏のボーナスは本来はもらえないことになります。ですが、多くの企業ではそれでは可哀想だということで、支給対象期間に在籍していなかった社員についても「寸志」を渡すところが多いようです。勉三の勤めていたメーカーでは10万円が支給されました。学生の方からすると十分と思うかもしれませんが、社会人にとっては正直言って「無いよりはまし」レベルの金額ですね・・・

 ですので、通常はボーナスが満額出るのは冬のボーナスからということになります。これにより入社1年目の年収は、ボーナスがフルに支給されたと仮定した際の「本来の年収」より低くなります。この点を知らないために、「書かれている年収より実際にもらえる額が少ない」じゃないかと、後で気づいて憤慨する方もいるので注意が必要です(内定時に年収が定時される中途入社だとありがち)。悲しいですが、そんなことを人事部に文句を言ったところで笑われるのが落ちです。ですので、年収がどのように決まるかという基礎知識は学校では教えてくれませんが全員が持つべきものだと思います。

日本の大企業ではボーナスは基本給の延長的性格が強い

 ボーナスというと「業績が良かった際の成果報酬」的なイメージの方も多いと思います。特に中小企業勤めの方だとそういう認識が多いです。ですが、日本の大企業ではボーナスはよりベース給に近いものとして捉えられています。

 これは日本特有の事情なのですが、日本では強力な解雇規制があるために、企業は基本給をできるだけ低くおさえておこうという思惑が働きます。業績がいい時に基本給を上げてしまうと、業績が悪くなった時に基本給を下げるわけにも解雇するわけにもいかないからですね。そのため、賃金上昇はできる限り基本給ではなく賞与の増加で対応してきたという経緯があります。このため、一般にイメージされるボーナスという言葉とは裏腹に、ボーナスが基本給的な性格を帯びるようになったのです。

 実際、大企業と中小企業で基本給は言うほど差はありません。大企業だって非管理職であれば年齢×万円(30歳なら30万円)ぐらいが基本給の相場です。大企業と中小企業で大きな差がつくのはボーナスなのです。

 このように大企業ではボーナスが基本給の延長的な性格を有しているために、業績との連動も緩やかであることが多いです。例えば、標準月数が6か月分の企業であれば、業績が悪いときは4か月、業績がいいときは8か月とか、プラスマイナス数ヶ月程度の幅でおさまることが殆どかと思います。もちろん深刻な経営危機の時はこの限りではありませんが、基本的にはボーナスが全て無くなることはレアです。

殆どの大企業ではボーナスは個人ごとにあまり差はつかない

 ボーナスの額を左右するのは会社全体の業績以外にも、個人の評価があります。高評価であればボーナスが上がり、低評価であればボーナスが下がるという訳です。日系大企業でも近年の成果主義の導入で、成果連動型のボーナス制度を取り入れているところが多いですが、正直形だけのものでほとんど差がつきません。

 例えば100万円が支給額なら、一番上と下で差がついて10〜20万円というところだと思います。これを多いとみるか少ないとみるかは考え方しだいですが、勉三は個々人の能力差はホワイトカラーであれば数十倍にも及ぶと考えているので、非常に少ない差だと考えています。

 もちろん、歩合性の営業だとか職種や業界によってはもっとボーナスに差をつけるところもあります。あくまで一般論としてです。

同じ年収ならボーナスは低いほうがいい

 ここまで書くと、中小企業勤めの人は「大企業はボーナスをたくさん貰っていて羨ましい」と思うかもしれません。しかし、本来はボーナスというのは基本給を抑えるための雇用側に有利な仕組みであって、同じ年収であればボーナス比率が低い(つまり基本給比率が高い)方がいいに決まっています。

 実際、20代や30代で1000万や2000万が稼げる医師や外資系投資銀行・コンサルなどの業界だと、メーカーなどの日系大企業よりボーナス比率は少ないことが多いです。勉三がメーカー時代に友人の医師に「ボーナスは6〜8か月ぐらい」と言うと、「ボーナスそんなにもらえるの!?」と驚いていました。

 といっても医師が給料低いというわけではなく、毎月コンスタントに高収入なのです。同じ年収1000万なら、医師は毎月約80万稼ぐのに対し、メーカーだと毎月は50万円で、ボーナスが200万×2回というようなイメージです。ですので、同じ年収でも企業勤めだと毎月使える額は意外と小さかったりするものです。

 外資系も日系企業と比べると総じてボーナス比率が低い(基本給比率が高い)といえます。年収1000万であれば70万円程度が毎月の給料で、ボーナスは年1回だけで160万円というような感じになるかと思います。こうして書くと、内資はいかにボーナスに偏ってるかがお分かりいただけるかと思います。

最後に

 いかがでしたでしょうか。今回書いたようなことは大企業にいったん入ってしまえば常識なのですが、学生の方や、大企業の経験が無い方、もしくは大企業であっても外資系の方などには必ずしも馴染みがないことかと思います。

 次回は少し話題を変え、毎月の手当てにフォーカスを当てたいと思います。

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posted by 勉三 at 16:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 仕事・キャリア

給料と年収の関係講座(1): 同じ時給換算でも月給制と時給制で年収は大きく異なる

給与から年収はどのように決まるか? 意外と知られていないので解説

 ども勉三です。給与の決まり方ってほんと分かりにくいですよね。募集要項などをみても初任給ぐらいしか書かれていなかったり、中途採用のケースだと「300万〜1500万」とか幅広すぎだろってつっこみたくなります。実際、自分の会社の給与支給規則などを読んでみても、色々とタブーなことが多いのか非常に回りくどく書かれていて、解読が困難です。自分の勤め先ですらそうなのですから、まだ働いてもない会社の給与なんて完全に霧に包まれた情報ですし、ましてや一度も正社員として働いたことのない学生の方には「で、その初任給で年収いくらになるのよ?」と疑問に思うことでしょう。

 そこで本シリーズは、いわゆる一般的な勤め人の給料がどのように決まるのかを、各要素ごとに分解し、社会人経験のない方でもわかるように説明したいと思います。

時給労働者と月給労働者の大きな違い

 日本では正規雇用にある勤め人の多くは、月給制で給与を支給されているかと思います。これは月の基本給が決まっており、その月に何日働いたかを問わず、ほぼ決まった額の給料が支給されるということです。

 一方で、アルバイトやパートタイムでは時給制が多いかと思います。こちらの方が、学生の方にはアルバイトの経験などで馴染み深いかと思います。1時間あたりの給料が決まっており、何時間働いたかでその月の給料が決まるわけですね。

 時給制と月給制で大きく差が出るのは、月給制だとゴールデンウィークや年末年始のような休日が多い期間であっても、給与が変わらないという点です(後述しますが厳密には残業代には影響する可能性があります)。時給だと休日数にモロに影響を受けることになります。

 もう1つ大きな違いは、時給制は「時給×労働時間(時間)」で年収になりますが、月給制は「基本給×12か月」がそのまま年収になるわけではないということです。特に、内資の優良大手企業の正社員だと、基本給の20〜25倍が年収ということも珍しくありません。例えば、基本給が24万であれば、年収は480〜600万円ぐらいにはなります。

 基本給24万円/月ということは、時給換算すると、1日8時間、月に平均20日働くとして、24万円÷(8×20)=1500円/時ということです。時給1500円のアルバイトを、1日8時間、月20日で1年間働いたとしても、24万円×12=288万円にしかなりません。そう考えると、いかに大きな違いかお分かりいただけるかと思います。

正社員といっても大企業か中小企業かで全然違う

 とはいえ、これは優良大手企業のお話です。正社員ならどこでもそうだという訳ではありません。優良大手と中小企業で差がつく大きな要因は、もちろん元々の基本給自体の差もありますが、ボーナスです。

 内資の優良大手だと、たいていボーナスが年間に6か月程度支給されます(業界や会社により±2ヶ月程度の幅がある)。これは基本給の6ヶ月分が夏と冬の2回に分けて支給されるということです(1回あたりは3ヶ月分)。したがって、基本給が24万円であれば、6〜7月に24×3=72万円、さらに12月にも同じだけ支給されるということです。

 世間では、勤め人を「正社員」だとか「社会人」だとかで一括りにしますが、このボーナスは本当に企業規模や業界で大きくことなります。ですので、大企業では当たり前の年間賞与6ヶ月というのは、中小企業に勤めている多くの人からしたら「信じられない」ことなのです。中小企業だとボーナスは無かったり年間で1〜2ヶ月だけということも珍しくはありません。

 このボーナスについては、それだけで1回分の記事が書けるほど奥が深いですので、「一年目はボーナスは低くなる」「ボーナスの変動要因」「年収が高くてもボーナスが低い仕事もある」「同じ年収ならボーナスは低いほうがいい」「外資と内資のボーナスの違い」などについて次回解説したいと思います。

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posted by 勉三 at 02:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 仕事・キャリア