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2020年07月23日

コンサルにとってアベイラブルは逆にしんどい?

「アベイラブル=仕事しなくていい」とは限らない

 ども勉三です。コンサル業界にはアベイラブルという用語があります。これはビラブル(クライアントに請求できるワーク)のプロジェクトにアサインされていない状態、つまり必要であればアサインが可能であるという状態(available)のことですが、稼働率が下がり評価に影響してしまうため基本的に良くないこととされています(ビラブルや稼働率の説明はこちらの記事)。

 ネットの情報を見ていると「アベイラブルで暇」とか「やることがないので資格の勉強をしている」といった体験談が散見されますが、必ずしもアベイラブル=仕事しなくていいという訳ではありません。むしろ、戦略コンサルでは、プロジェクトにアサインされている時よりも、アベイラブルの時の方が忙しくてストレスが溜まることもあります(暇すぎて辛いとか将来が心配だという意味ではなく)。

コンサル業界の仕組み

 まずコンサル業界の仕事の流れを説明しましょう。コンサル業界では、SIer などと違って独立した営業部門や担当というものがありません。営業活動(提案活動、PDなどとも呼ばれる)はパートナー(事業会社の役員や部長に相当)を中心としてマネージャー以上で行うようになっています。

 マネージャー未満のジュニアスタッフは、パートナーが獲得してきたプロジェクトの実務遂行(デリバー)に基本的には専念することになります。ただし、アベイラブルの間はパートナーやマネージャーの営業活動のお手伝いを頼まれることがあります。これを「PDにアサインされる」などと言います。要はプロジェクトにアサインされるか、そうではない提案活動にアサインされるかという違いです。

 同じ「アサイン」であっても、プロジェクトにアサインされるということはビラブルの活動であり、ファームにとっては収益の源泉になるので稼働率の計算に算入されます。一方で、提案活動はノンビラブルでありクライアントに働いた時間を請求できるわけでは無いため稼働率にはカウントされません(あくまでプロジェクトを売り込むための提案活動なので)。

 アベイラブル期間中にどの程度の確率で提案活動にアサインされるのか、仮にアサインされたとしてどこまでの働きを求められるのか、そもそもどの程度の提案活動が走っているのかは、ファーム・プラクティス(業界や専門領域)・時期などによって大きく異なります。なので「アベイラブルでやることがない」という書き込みがある一方で、「アベイラブルでも提案活動で大変だ」というのもまた真なのです。

アベイラブルの方がしんどい理由

 勉三のいるファームではアベイラブルだとほぼ100%の確率で提案活動にアサインされることになります。1つの提案活動の期間はまちまちで、短いものであれば2日程度、長いものは数週間続きますが、殆どのものは5日以内です。

 「でもプロジェクトワークじゃないから楽なんでしょ?」と思うかもしれません。そんなことはありません。勉三は「逆にアベイラブルの時の方が逆に仕事が大変だ」と思っています。

 理由としては、上で書いたように提案活動へのアサインはごく短期間であり、それに加えて毎回業界が変わるという要因があります。プロジェクトワークはその人の経験や専門性などを吟味して、なるべくその業界や領域に詳しい人がアサインされますが、提案活動の場合は詳しくない業界の提案活動でもアサインされやすい傾向があります。

 コンサル業界では「自分の知らない業界のプロジェクトにアサインされたら、とにかく即日で本を買って明日までに勉強してこいという世界なので、短期間で毎回異なる業界の仕事というのは、何度もその立ち上がりの勉強を要求されることを意味し、結構辛いです。

 プロジェクトの場合もアサイン直後は勉強が必要ですが、安定期に入り慣れてくると比較的惰性でできる部分があります。また、短いプロジェクトでも1〜2か月程度、長ければ半年とか1年とか続くので(業務系やIT系はもっと長いプロジェクトが多い)、アベイラブルの時のように毎週違う業界の提案活動にアサインされて毎回勉強が必要になるということもありません。

 もちろん、プロジェクトには突発的に忙しい時期もあり、その時は午前様になったりしますが、それを除けばそこまで大変というわけではありません。繰り返し同じ内容に触れているうちに慣れてくるので、たとえ同じ労働時間でも提案活動の方が初めてのことが度々登場するため神経を使います(初めての業界、初めての企業、初めてのマネージャーやパートナーなど)。

 また、非常にスケジュールが読みにくいのも提案活動の嫌なところです。アサイン初日にマネージャーやパートナーと話をするまでどういうスケジュールで仕事を進めるのか全く分かりませんし、アベイラブル期間の方が逆にプライベートの日程を入れにくかったりします。

最後に

 いかがでしたでしょうか。今回紹介したように、コンサル業界では「ジュニアスタッフの間は、クライアントワークをやるのが一流で、クライアントに請求できない仕事をやるのは二流」という価値観があります。しかし、勉三はこれに懐疑的で、提案活動って案件を生み出し取ってくるプロセスなので非常に大事だし、それに関わる業務を行った場合はクライアントワークと同等に報いるべきではと考えています。

 もしかしたら、今後はコンサル業界も稼働率を重視しない方向に少しずつ変わっていくかもしれませんが、少なくとも今のところは稼働率は無視できない指標であり、コンサル業界にいる限りはアベイラブルという概念は避けては通れない話題です。

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posted by 勉三 at 05:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 仕事・キャリア
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