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2020年07月04日

大企業がコンサルに頼る本当の理由

優秀な社員が多い大企業が、コンサルに頼る理由とは?

コンサルなしでは仕事が回せない大企業や官公庁

 時々コンサルに懐疑的な人の意見として耳にするのが、「彼らは口だけ」「現場が分かっていない」といったものがあります。しかし今の大企業や官公庁はコンサルなしでは回らなくなってきています。

 私自身もコンサルタントとしてクライアントのオフィスなどを訪れる機会は多いですが(コロナ前の話ですが)、だいたい他のコンサルの人と受付で鉢合わせします。それぐらい大企業はコンサルを多用してるんですね。

 あまり大企業の中を知らない人は、例えば「メーカーのA社はマッキンゼーを使っている」とか、あたかも1つのコンサルティングファームを専属的に使っているかのように思っている人もいますが、これは全く違います。「メーカーのA社は、コンサルファームのP社とQ社とR社とS社とT社に現在仕事を依頼している」といった具合に、1社で何社ものコンサルファームを同時に使っているのが実際です。

 これは1つのプロジェクトで複数のコンサルファームが参加する場合もありますし(M&Aや規模の大きい案件だと、投資銀行、戦略ファーム、総合系ファーム、SIerなど何社も参加します)、別々のプロジェクトで別々のコンサルファームが関わっているということも両方ありえます。

 いずれにせよ今の大企業はコンサルを多用し、コンサルがなければ回らない状況と言えます。これは官公庁も同じです。昔と比べてお役所の広告がおしゃれになったと思いませんか?これもコンサルや広告代理店などへの外注が進んだからです。

ではなぜそこまでコンサルを使うのか

マンパワーの問題

 この理由は様々あるのですが、「マンパワー」と「知識やスキル」の2つの観点から説明可能です。まず、マンパワーとは、単純にクライアント側の人手不足をコンサルが補うということです。

 今の大企業や官公庁は、本体の正社員数を極力抑えるようにしています。なぜかというと、正社員は容易に解雇することができず、その後何十年にも渡って給与を支払い続ける必要があるからです。これは先の読めない今の時代にはそぐいません。今ある仕事が10年後にもあるかどうか分からないからです。

 そのため、大企業や官公庁はマンパワーを正社員ではなく、他の方法で補おうとしています。その方法はいくつかあります。一番分かりやすいのは派遣や非正規雇用への置き換えですね。しかし、マンパワーの補充手段はそれだけではありません。例えば、これまで社内でやってきた作業を外注することも立派なマンパワーの置き換え手段です。

 いずれも毎月企業が支払うコストは正社員より高いことが多いのですが、需要の変化に応じて調整できるので正社員より柔軟にコストを絞ることができます。派遣社員も給与が安い印象がありますが、企業は大抵の場合は高い金額を派遣会社に支払っています。派遣会社がそこから経費などを差し引くので、派遣社員に入ってくる額が安くなるだけです。

 コンサルもこの延長線で考えることができます。社員が足りない分を一時的にコンサルを雇って業務を回すわけです。定型化された単純作業であれば派遣社員などの利用で済みますが、社内の業務フローを改善したり、ITシステムを置き換えたり、M&Aの戦略を練ったりといった高度な作業はコンサル、投資銀行、SIerなどの出番です。

 今の大企業や官公庁は、実務を回せる正社員は最小限の数におさえており、こういった実際の実務はコンサルやSIerなどが行い、正社員はその進捗管理を行うのがメインになってきています。

知識やスキルの問題

 もう1つは知識やスキルの問題です。IT系が一番分かりやすいかもしれませんが、AIを用いた新しいサービスを導入しようと思っても、クライアント側にその知識やノウハウを持った人が十分にいないという事が普通です。なので、その部分をコンサルやSIerに頼むわけですね。

 M&Aも多くの外部アドバイザーを要する業務の典型例といえるでしょう。M&Aというのはその前後期間だけ急激に作業量が発生し、かつ戦略・実務・会計・税務・法務とビジネスに関わる全ての知識が要求されるため、これをクライアント側の企業だけで全てカバーするのは困難です。そこで、M&Aプロジェクトの遂行の際には、投資銀行、戦略コンサル、業務コンサル、監査法人、弁護士事務所、SIer などのアドバイザーが総動員されることになります。1か月あたりのコストを考えるととんでもないことになりますが、それぐらい支払う価値があるということです。

クライアントもクライアント自身のことをよく分かっていない

 また、他によくあるコンサルへの懐疑的な見方として「クライアントの方がその業界詳しいんだから、何も知らないコンサルが入っていって何ができるの?」というものです。

 これは大企業のことを全く知らない絵空事のような意見だと言わざるを得ません。大企業は小さい企業と違い、会社のことを全てわかっている人というのがいません。社長であっても会社の業務の全貌は分からないのです。例えば、メーカーで営業や人事畑を歩んできた社長や役員は、研究や生産のことは殆ど分かりません。逆に研究や生産の人は営業のことなんて分かりません。

 ですので、その会社の業務フローの全体図を頭に思い描ける人などおらず、各部署がお互いに別々の会社ともいえるぐらい縄張り意識があることも多いので、誰も他部署のことに口を挟もうとはしないのが現実です。ですので中立的な立場としてガンガン入っていけるコンサルが必要とされているのです。

 また、「何も知らないコンサルが」というのも間違いです。コンサル業界にはその業界で働き中途でコンサルに入った人や、あるいはPhDやMDなどのその道の専門家の人もいます。例えば、自動車会社を対象としたプロジェクトであれば、別の自動車メーカーやサプライヤー出身のコンサルタントがプロジェクトに参画することも多いです。これを「何も知らない」と言えるでしょうか? 逆に彼らはクライアントが知らない他社のプラクティスなどを知っているので、クライアントにも重宝されることが多いです。

最後に

 いかがでしたでしょうか。今回は、現在の大企業やコンサルがいかにコンサル漬けで、コンサルなしでは業務が回らないということ。また、クライアントも自身のことを完全に把握している人は社内におらず、門外漢であってもコンサルがそこに入って付加価値を出せる余地はいくらでもあることを解説させて頂きました。

 多分、大企業がどのように仕事を回しているのかは、大企業で働いたことが無いと分からないと思います。よく大企業ではスキルがつかないと思っている人がいますが、大企業がどういう原理で動いているか分かるのが、大企業に勤めることで得られる最大のメリットです。

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posted by 勉三 at 23:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 仕事・キャリア
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