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2019年10月30日

豊かさとは選択肢が多いことである

勉強する意義とは

 島田紳助が「勉強する意義」について、ある番組で語っている動画があるのですが、これが勉強のみならず広い意味でのキャリア論に通じるところがあるので紹介させて頂きます。

勉強するのは選択肢を増やすため

 紳助自身は子どもの頃は非常に勉強が嫌いで、「勉強なんてして何になんねん!」と親に反論していたそうです。しかし、紳助の娘は非常に勉強が好きで、それを見た紳助が「なんでそんなに勉強ばっかりすんねん?」と娘に聞いた訳です。

 そこで娘の回答は「人生の選択肢を増やすため」というもの。これに紳助は感動し泣いてしまったそうです。

 これ、「当たり前のことじゃないか。何をそんなに感動してるんだ」と思われる方もいるかもしれません。しかし勉三は、紳助と同じで「深いなあ」と思いました。確かに当たり前のことで、皆が無意識下で知っていることなのかもしれませんが、改めて言葉で表現されると、短いながらも非常に端的で核心をついていると思うのです。

選択肢の多さ=豊かさ

 勉強する意味を問われると「お金を稼ぐためだ」と答える人もいるのではないでしょうか。しかし、お金は大事ですが、あくまで人生の一側面にしか過ぎません。

 より広い視野で考えると「何をして」「誰と」「どこに住み」「どういう生活を」過ごすのかといった要素に分けられるのではと思います。「何をして」の部分が仕事であり、その結果としてお金を得て、それは「誰と」「どこに住み」「どういう生活を」の部分に影響してくるわけです。

 この観点で人生を考えた時、それぞれの選択肢が多いほど自分らしく生きることができるわけです。一例を挙げると、収入が少なければ住める場所が限られます。例えば、結婚して子供を持つようになると、多くの人は郊外に住まざるを得ず、長時間かけて満員電車で都心に通勤するようになるのです。これは収入が少ないゆえに選択肢が限られてしまう典型例です。もし収入が多ければ「都心に住む」という選択肢が選べるようになります。

 さらに辿っていくと、収入は仕事で決まります。また、仕事によって住む場所もある程度決まってくることになるでしょう。例えば、外資系のコンサルタントや金融などは、日本だと東京にその雇用はほぼ集中しているでしょうから、これらの仕事をしているとほぼ東京かその近郊に在住することになるでしょう。逆に、企業の研究職などは、研究所が郊外や田舎に立地していることも多く、就職先によって居住地も自動的に決まってくる部分があります。メガバンクの総合職だと転勤で済む場所は完全に会社任せです。 このように、人生を構成する大事な要素である「誰と」「どこに住み」「どういう生活を」、すなわち、「結婚」「住所」「ライフスタイル」は、「就く仕事」によって決定されるといえます。そして、その仕事の選択肢は大学で決まり、さらには勉強をして学力を身につけるほど入れる大学の選択肢は多くなります。

 このように、人生の様々な選択肢の根源を遡っていくと、どれだけ勉強したかに行き着くわけです。大事なのは選択はあくまで権利であって義務ではないこと。動画で紳助も語っていますが、一流大を出てマッサージ師のような学歴がそれほど必要のない仕事に就いたっていいわけです。そう考えると、勉強する意味として「お金を稼ぐため」よりも「選択肢を増やすため」の方が包括的であると勉三は思います。

社会人になった後も、選択肢の多さを常に意識しよう

 さて、ここまでの話は現代日本に暮らす我々にとっては誰でも知っている当たり前のことだったかもしれません。いい大学に行けば、いい仕事に就けるチャンスが増え、いい暮らしができるチャンスが増える。そのための選択肢を増やすために勉強していい大学に行きましょう、と。

 しかしながら、その先となると途端に道に迷ってしまう方が多いように思います。しかし、基本は変わりません。社会人になってからも「選択肢を増やす」ことが豊かになることなのです。

 ところが多くの日本人は、逆に選択肢を減らす方向に努力してしまっているのが現実です。例えば、ローンを組んで家を買うとしましょう。この瞬間にかなり人生の選択肢を狭めていることになります。なぜなら、ローンを毎月返済しないといけないので仕事が限られます。働き続けないといけませんし、働くにしてもどんな仕事でもいいというわけにはいかなくなります。また、住む場所が固定されるため、仕事も限定されますし、ライフスタイルも限定されることになります。もちろん、家や土地だって売ることもできますし、完全に選択肢が無くなるわけではないですが、色々な選択肢が大きく制限されることは間違いありません。

 これでも昔は良かったかもしれません。しかし、いざ40代や50代になってリストラされたらどうなるのでしょうか。リストラになると多くの人は現職よりも給与を下げて再就職することになります。これも知らず知らずのうちに、自分の労働価値が減ってしまっていて、転職市場における選択肢が減ってしまったためです。仕事の選択肢の多さが効いてくるのは新卒就職時だけではないのです。みんな新卒就職までは頑張って勉強するのに、社会人になると終身雇用であぐらをかいて全く努力しなくなる人が多いのです。

 よく、持ち家 vs 賃貸 でどちらが得か話題になりますが、あくまで金銭面で考えれば持ち家の方が得だと思います。ただし、それは選択肢を全く考慮しなかった場合の話です。選択肢を考慮すれば、気軽に住む場所や住宅費を調節できる賃貸の方が柔軟であり、リスクにもチャンスにも強いと言えるでしょう。例えばリストラされたら安い家賃のところに引っ越したり親元に帰るということも賃貸の方が容易ですし、待遇のいい仕事があれば現住所に縛られずに積極的に応募できるのも強みです。

コンサルが就職で人気なのも、その後の選択肢が多いから

 最近は大学生の間でもコンサルタントが就職先として人気で、その理由の1つとして「現時点で特に行きたい業界というのが無いが、コンサルであれば色々な業界に関われるし、スキルも身につくので転職にも有利だから」というのがあります。

 これを「モラトリアムだ」とか「意思が定まっていない」とか馬鹿にするような声も聞かれますが、勉三はそうは思いません。上で挙げたような大学生の意見の方が正論だと思います。それは、人生の豊かさは選択肢の豊富さであるという観点からしても明確でしょう。

 まずそもそも、昔の社会であれば農民の子は農民に、職人の子は職人になっていたわけで、自分がどの業界で仕事をしたいかなどと考える必要はあまりありませんでした。しかし、現代では多くの子は、親と全く違う職業に就くわけで、業界が選べないというのは当たり前のことなのです。だからみんな自己分析などして業界を決めているわけで、それで選んだ業界も正解だったかなんて社会人でも分かりません。だからみんな転職するわけです。なので、勉三には「特に行きたい業界がない」というのは、むしろ素直で本質をついた意見だと思えます。逆に「私は絶対この業界がいい」と思っている人の方が、危ういのではと思っています。

 そして、人生の選択肢を極力後々までキープしておきたいというのも、むしろ当然のことです。それはいい大学に行くのと同じ理屈です。

選択肢が多いほどいいのは、環境も変わるし自分の価値観も変わるから

 選択肢が多いほどいいのは、リストラや天変地異といった環境変化に対応しやすくなるからだけではありません。自分の価値観の変化にも対応しやすくなるからです。

 当たり前ですが、人の価値観というのは死ぬまでずっと一定という訳ではありません。年齢や経験によって随時変化していくものです。

 例えば勉三も、幼少期から就職するまではずっと研究者になるんだと思い、それ以外の道はあまり考えていませんでした。しかし実際に社会に出て、仕事をし、自分でお金を稼ぐようになると、やはり価値観というのは変化するものです。そうしてその後は転職し、研究職から180度転換とは言いませんが大きなキャリアチェンジをして戦略コンサルタントになったわけです。

 このように価値観はどんどん変わるものなので、ある一時点で人生の選択肢を固定してしまうのは危険なのです。勉三が転職を考えている人に「やりがいなんかより年収に拘れ」とアドバイスするのも同じ理由です。年収は客観的なもので普遍ですが、やりがいは価値観次第です。ということは今はその仕事がやりがいがあると思っていても、時と共にそれが変化し、やりがいを感じられなくなることは多々あるためです。

 そんな時に、いざ転職しようと思っても現職の年収が低いと、それで値踏みされてより安い年収の仕事にしか就けないということもあるのです。転職の際は現職の年収があなたの実力を示すバロメーターのような役割も果たすので、出来る限り高く保っていたほうが転職の選択肢も増えるのです。

最後に

 いかがでしたでしょうか。人生やキャリアを選択肢の多さと言う見方で捉えると、何をすべきか、何をすべきでないかも、もう少しクリアに見えてくるのではないでしょうか。人生やキャリアで迷える人には、その後の選択肢の多さも踏まえて決断をされることをお薦めいたします。

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posted by 勉三 at 03:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 仕事・キャリア
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