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2019年09月10日

成田空港「陸の孤島」化で露呈した日本の災害対策の問題点

1万人以上が空港で夜を明かすことに

 ども勉三です。台風15号の影響で成田空港のアクセスがほぼ遮断され、空港内に1万人を超える「難民」が発生するという事態になりました。勉三も出張からの帰りで運悪くこれに遭遇してしまい、最終的には部分復旧した京成電鉄の終電に近い電車に乗ることができ東京に帰ることができたのですが、駅の行列に並ぶのが数分遅ければ間に合わず空港で夜を明かすことになっていました。

 この記事を書いている時点でも、1万人以上の人が空港内に取り残されているとのことで、交通手段もなくホテルも空室がないので殆どの人は空港建物内の床に寝転がって一泊することになるでしょう。

 さて、今回の騒動を直接目にして、災害大国を自称している割には全く災害対策ができていないなと思ったので、いくつか露呈した問題点を紹介したいと思います。

全体を統括する空港内の災害対策本部のようなものが無い

 今回、色々と問題はあったのですが、その根っこを辿っていくとこれにたどり着くような気がします。空港、航空会社、交通機関、警察がそれぞれバラバラに動いており、その間の連携が全く取れていないのです。いずれの機関の職員の方も必死で対応されているのですが、それがバラバラなために全体としての効果につながっていないのは非常に残念なことです。

 例えば、一例を挙げましょう。今回、あくまで問題が生じたのは交通機関であり、空港そのものの機能には問題がありませんでした。そこで、どんどん航空便は発着するのですが、到着した人たちが空港から出ていくことができないので、どんどん人が増えていくのです。空港からしたら「俺たちのせいじゃねーよ。泊まれるように空港を営業時間外も開放し、物資(クラッカー、水、寝袋などが支給されました)も支給してあげてるんだから文句言うな」というところなのでしょうが、人が出ていけない緊急事態の空港でどんどん飛行機を受け入れ、人を増やしていくというのは大きなリスクを抱えています。

 また、別の例としては、情報共有の少なさです。7〜8時間程度は空港にいたと思いますが、その間に情報はたまにアナウンスがある程度で殆ど分かりません。例えば、京成が運転再開したというアナウンスはあるのですが、人が殺到して長蛇の列ができ入場制限がかかるほどでした。また、その行列がどの程度の長さで、最終便は何時頃になるのかといった情報は一切分かりません。一番頼りになったのはtwitterの情報でした。

 これらの問題を考えた時、必要なのは関係各機関の上に立ち、アクセスも含めた空港全体での災害対策を指揮することができる機関が必要と強く感じました。災害時に各機関が個別に動いているだけでは効果が薄すぎます。

緊急時のアナウンスがほぼ日本語だけ

 現在、平時のアナウンスは多言語対応が進んでいますが、緊急時になると日本語しか流れてこないことを今回改めて認識させられました。空港という外国人を多数受け入れる施設ですから、せめて日本語に加えて英語でのアナウンスはしてほしいなと思います。

 情報収集という観点では、先に述べたように日本人の勉三でさえ苦労したぐらいですから、外国から来られた方は現在どういう状況なのか、全く知るすべが無かったと思われます。

災害対策プランが練られていない

 今回、JR東が早々に終日運休を決定したのに対し、京成は18時頃から運転を少しずつですが再開し、勉三も含め、京成に救われた方は多いかと思います。そういう意味で、基本的に京成のしたことはプラス評価されるべきであると考えています。

 しかしながら、災害対策として100%の役割を果たせていたかは疑問符がつくところです。例えば、スカイライナーがせっかく復旧しても、窓口が追い付かずガラガラの状態で走らせていたとのことです。また、スカイライナーは全席指定なのですが、今回も全席指定で通常通りの対応でした。少しでも多くの人を空港から脱出させるという意味では、通路部分にも人を入れて運ぶなど緊急対応をすべきだったと思います。

 それと改札も通常通りの対応のため、そこで人の流れが停滞しディズニーランドもびっくりの長蛇の列となっていました。外国人観光客は当然ICカードなども持っていない人も多いでしょうから、券売機や窓口で切符を買わなければいけません。緊急時にそういった運用をしていては十分に輸送できないのは目に見えています。

 最終的には京成もそれに気づいて、改札を切符無しでも通れるように開放しましたが、終電間際になってからのことでした。これにより人の流れが格段に速くなったので、もっと早めにしておくべきだったと思います。ちなみに、切符無しで通った人は到着先の駅で精算する必要があるので、無料というわけではありません。それはいいのですが、そういったアナウンスも日本語だけだったので、到着先の都内の駅では多少混乱が見られました。

 誤解ないように繰り返しておきますが、今回の京成の対応自体はプラス評価されるべきですし、オペレーションがまずいからといって京成を叩くつもりはありません。あくまで今後の理想像として解釈して頂ければと思います。

 また、1つめの「全体を統括する対策本部が無い」というのにも関係しますが、今回のような災害時の緊急対応は鉄道会社だけでなく関係各機関が出費しあった上で、運賃無料にし、指定席のみの特急にも人を可能なだけ載せて、少しでも多くの人を迅速に空港から脱出させる運用にしたほうがいいでしょう。

最後に

 いかがでしたでしょうか。今回、問題点と同時に強く感じたのは、災害時における日本人の現場レベルでの連帯感です。(勉三が見ている限りは)大きな騒動になることもなく、空港から支給された物資なども配布に協力するなど、非常に感心させられました。

 であるがゆえに、なおさら全体を見渡しての指揮系統の無さを痛感するのです。非常に勿体の無い話です。現場が優秀だが各組織がバラバラに動くのは、どこか旧日本軍の失敗と通じるところがあるなあとも感じてしまいます。

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posted by 勉三 at 01:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事
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