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2019年07月27日

理系より文系の方が給料がいい本当の理由

 ども勉三です。給与の文理格差については、松繁寿和氏(大阪大学大学院助教授、当時)の調査がよく知られています。それによると、国立大学の文系学部と理系学部の卒業生を対象に年収を調査したところ、大学卒業直後は理系出身者の収入が高いものの、管理職世代になるにつれて文系のほうが高くなり、生涯賃金では5200万円の差がついたとのことです。

 この調査については「医学部入れたらどうなんだ」とか「文系で大手企業に就職できなかった人を入れたら違ってくる」といった反論も見られますが、より正確に表現するなら「上位大学の同期の上位25%ずつで比較すると、理工系より文系の方が給料が高い」と言ったことは皆が実感として感じているところなのではないでしょうか。

給料が理工系<文系な訳

就職先業界の差

 まず、理工系のトップ層が就職するところはメーカーやインフラの大手企業が大多数です。これらの企業は、世界的に有名なところが多く、もちろん世間一般と比べて待遇もいいです。また、特に工学部の機電系などであればこれらの超有名企業に殆ど就職活動をしなくても入ることができます。

 ただし、メーカーやインフラは労働集約的な産業であり、ビジネスの特性上、社員の給与を高くすることはできません。メーカーでは大学院卒だけでなく高卒や高専卒の社員も大勢働いています。雇用も基本的には終身雇用を前提としているので、個々の社員の能力や学歴に応じて差をつけるということは難しいのです。

 もちろん、メーカーに分類される企業にも差はあり、キーエンスなどは非常に高い平均年収で知られています。ただし、これらは特殊な例であり、業界全体の傾向としてはメーカーの給料は、大手であれば世間一般と比べれば高いものの、同程度の学歴の人同士で比べた場合には低くなる、というのは言えるでしょう。

 一方で、文系のトップ層の就職先は、商社、マスコミ、金融、コンサル、出版などであり、これらはいずれも製造業と比べると利益率の高い産業です。もちろん「大手への就職のしやすさ」という指標で比べると、工学部の方が楽なのですが、工学部は就職した大手が給料が安いです。一方、文系は大手に就職するのは比較的難しいものの、就職できれば給料はメーカーより遥かにいいです。

同じ会社の中でも文系の方が給料がいい?

 さて、ここまでは就職先の業界の違いにより、給与の文理格差が生まれることを説明しました。しかし、実は同じ会社の中で比較しても、文理格差があります。例えば、1つの会社の中で、研究と営業を比較すると、営業の方が給与が高いメーカーが多いのです。理系の方は「大学時代に必死で勉強してきた理系が、遊んでばかりの文系より給与安いのはおかしい」と思われる人もいるかもしれません。

 もちろん、1つの会社の中では文系と理系で給与テーブルが分かれているわけではありません。そもそも文系と理系の区別はありません。あるのは、研究、開発、営業、総務だとかの所属部門の違いだけです。しかし、ここでも殆どの日本企業は差を設けていません。あるのは職階です。

 職階は企業によって色んな呼び方があるのですが、大卒で入社したらランク1、そこから数年ごとにランクが1つずつ上がっていく、といったシステムです。入社時は一律で同じランクですが、成果によって徐々に差がついてきます(といっても多くのメーカーでは10年ぐらいは横並び)。

 この職階、大卒であれば研究に配属されようが、営業に配属されようが、同じランク1です。上がり方も目に見えて部門間で差があるわけでもありません。但し、管理職以上のランクについては、当然ながら椅子の数が限られていますので、椅子の数と部門の人数によって昇進のしやすさは変わってきます。とはいえ、30代までは殆どの企業で部門間の昇進のしやすさは無いか、非常に小さいと言っていいでしょう。

 「職階に差がつかないなら文系(の多い部門)も理系(の多い部門)も給与は同じなのでは?」と思うかもしれません。しかし、手当が部門によって大きく違います。同一企業内での給与の文理格差は手当てによって生まれます。

営業は手当てが多い

 会社の手当ては、住宅手当、時間外労働手当、出張手当など様々ありますが、いずれにおいても営業は高くなります。

 まず、理系は研究所勤務で転勤が少ないです。それも東京都心にあることは少なく、郊外か地方でしょう。一方で文系は東京都心勤務か、もしくは転勤で全国を数年ごとに渡り歩きます。住宅手当は居住地により差があるのが普通なので、東京勤務の方が多く貰います。

 また、借り上げ社宅のシステムを持つ企業では、入居後3年間は自己負担率が低く、そこから毎年上がっていくといったシステムが多いです。この場合も転勤が多い職種の方が得です。

 住宅関連以外でも、営業にだけ特別に営業手当などをつけている企業も多くあります。一方で理系の研究所勤務だと普段は研究所に内勤し、外出も毎日というわけではないので出張手当の額も少なくなります。

 ではなぜ企業は営業が手当で多くをもらえるようにしているのでしょうか。それは営業職は流動性が高く、給与が低いと他社に流れやすいからです。1つの会社で営業でトップの人は、他の会社でもトップを取れる確率は高いでしょうし、同じスキルセットが通用します。また、営業の人は理系の人より「この仕事がやりたいから選んだ」といった動機は薄いです。仕事を選ぶ際に給与を重視する割合が高いです。

 したがって、企業は営業は給与を高めにしておく必要があるのです。ただ、全員の給与テーブルを上げると、別に流動性が高くない、繋ぎとめておく必要のない職種までコストがかかってしまいます。そこで、給与テーブルではなく手当という形で差をつけるのです。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。以前の記事「日本で理系職の給料が安いわけ」でも述べましたが、同じ企業でも理系より文系に高い給与を払うのは、理系の人が給料を低くしても辞めないからです。

 勉三は優秀な理系の人は、もっと待遇のいいところがあれば、どんどん転職すべきだと説いています。それは、そうすることによって企業が危機感を抱き、理系の給与を上げることにつながるからです。そうしない限りは、企業にとって理系の給与を上げる必要性なんて無いのです。

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posted by 勉三 at 13:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 理系
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