AI/機械学習の理論は難しいけど、応用するのはそれほど難しくない
原理を理解していなくてもAIや機械学習を使うことができる
ども勉三です。今回から「AI/機械学習講座」と題して、「AI/機械学習に興味はあるけれど、難しそうで何から手を付けていいか分からない」という方向けに解説していこうと思います。
まず最初に言っておきたいことですが、AI/機械学習の理論というのは非常に難しいです。私、勉三もAI研究者の端くれだったのですが、最低でも大学レベルの線形代数、微積、確率論などを理解していないと教科書すら読めません。最初のうちは論文を1ページ読むのに数日かかったのを覚えています。
ですが、AIや機械学習を使って何か生活や仕事の役に立てたり、人の役に立つようにするのはそこまで難しくありません。これらは別に原理を理解していなくてもできることです。
車やコンピュータだって原理を理解して使っているわけではない
こういうと必ず「原理を理解せずに使うべきではない」と目くじらを立てる人が世の中にはいます。果たしてそうでしょうか?
例えば車やコンピュータ。私たちの生活になくてはならないもので、一般人も日常的に利用しているものですが、それらを動かすための原理は非常に難しいものです。自分が使っている車やコンピュータに使われている技術のことを全て理解している人なんて、この世の中にいないでしょう。殆どの人にとって車やコンピュータはブラックボックスですが、だから使うなと言う人はいないと思います。トラックやバスの運転手さんに「熱力学や電気工学を理解してないから車を運転すべきでない」という人はいませんよね。
それと同じです。AIや機械学習の原理を知ることは研究者にとっては重要なことですが、それを使って何か価値を生み出すかどうかは全く別問題です。もちろん、原理を知っていることで応用を考える際にも有利になることもあります。しかし逆に素人の方が自由な発想もできたりするので、そこは良しあしでしょう。
AI/機械学習の勉強に必要なこと
さて、AI/機械学習の習得に必要なことは大きく分けて、「プログラミング」と「数学」の2つに分かれます。これらは車輪の両輪のようなものと勉三は考えています。
プログラミング言語は Python がおすすめ
まず、プログラミングですが、本講座では Python を用いて解説していきます。Python は、AI/機械学習の分野でのデファクトスタンダードの言語になりつつあり、現在非常に勢いのある言語です。これまで他の言語でプログラミングをしたことがあるという方も、初めての方も、Python を使わない手はありません。
Python は非常にライブラリが豊富で、AIや機械学習で定番のアルゴリズムがパッケージ化され、原理を深く知らなくとも手軽に利用できるようになっています。ただ、その反面、環境構築が難しいという難点があります。本講座では Python を使うにあたって選択すべきベストな環境構築について説明していきたいと思います。
数学は無理しなくてもいいが、理解できると楽しくなる
もう1つの数学の方ですが、こちらは本講座では深くは解説しませんが、どういった分野のどういったことを勉強すればよいのかの道しるべは示したいと思います。ただ、既に述べた通り、数学的な原理を深く知らなくともAIや機械学習を使って何かをすることは十分に可能です。なので、数学が苦手だという方は無理をする必要はないと思います。興味が出てきたら少しずつ勉強するというスタンスで構いません。
次回予告
次回は、まず Python の環境構築について解説していきます。こうご期待!