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2018年06月13日

誰も言わない日本の研究力が低迷している本当の理由

 ども勉三です。「<科学技術白書>「国際的地位は低下」研究力の低迷あらわに」という記事がニュースになっていました。

 日本の科学力・研究力が低下しているというのは色んな方が指摘している通りです。勉三もかつて研究者でしたが完全に同意です。問題はその理由です。よく言われるところとしては、研究者の給料が安いからだとか、大学の研究費が削られているからだとか、博士を無駄に増やしすぎただとか、研究者の成果主義が行き過ぎているからだとか、そういった理由を挙げる方が多いようです。

 おそらく、どれも一理はあるでしょう。しかし、勉三が考える真因は全く別のところにあります。

科学研究のパラダイムが変わった

 その理由とは「科学研究のパラダイムが変わったから」です。これは一夜にして全てが劇的に変わったと言う意味ではなく、現在進行形で徐々に起きている変化です。

 昔は、研究は研究者が基本的に1人で行い、場所も自室でノートや本に向かって思索したり、実験室にこもって行うものでした。ですが、今の研究は変わりつつあります。もちろん、今でもそうしたスタイルで研究をしている人がいなくなった訳ではありません。しかし、確実にそれは主流ではなくなっています。

 今は、研究は文系理系問わず様々な分野の人が緩くタッグを組み、研究者も実験室にこもりきりというよりは、日本中あるいは世界中を飛び回って行うことが多くなりました。むしろ、実験はテクニシャン(実験助手)と呼ばれるパートタイムや派遣社員の方に行ってもらい、研究者は指示を出すという分業が確立しつつあります。

 お金のないラボは学生に実験をやらせたり、あるいは教員が自らやっていたりしますが、旧帝大などの資金力のあるラボはテクニシャンを雇い、効率的に研究成果を生み出しているのです。

 勉三はこれを「研究者は白衣からスーツへ」「研究はスタンドアローンからクラウドへ」と勝手に名付けて呼んでいます。最近よく耳にするオープンイノベーションとやらも同じような潮流を指しています。今の研究の世界は、皆さんが思い描くのとはかなり異なる風景なのです。

日本人はクラウド型研究に弱い

 勉三の私感では、日本人は総体として、昔ながらのスタンドアローン型の研究、つまり実験室にこもって1人で没頭するようなタイプの研究に適性がある人が多いと思っています。外部を巻き込んで行うクラウド型の研究は苦手なのです。

 これは英語力の問題もあるでしょう。クラウド型研究で海外と繋がるためには英語力が必須です。理系なら英語論文ぐらい誰でも読める時代になったとはいえ、海外研究者と対等に議論できる人はまだまだ少ないです。対等にというのは、海外留学などをし、他に日本人のいない環境で英語だけでやっていくという意味です。単に学会発表とかラボ訪問で研究について外国人と少し話せるだけでは足りません。それはお客さんの立場です。

 クラウド型研究では、予算なども自分で取ってくる必要があります。そのためには、投資家やスポンサーなどに研究意義をプレゼンし、出資をしてもらう必要がある。今、各分野で有名な先生というのはこれが上手な人が多いです。逆にいえばお金儲けができないと今は研究者としてやっていけないのです。

日本の研究力が復活するためには…

 さて、暗い話ばかり書きましたが、悲観的になりすぎる必要もないと勉三は考えています。

 ただ勉三はクラウド型研究が日本の活路であるとも考えていません。日本人も徐々にクラウド型の研究スタイルを取り入れ徐々に適応はしていますが、やはり同じことをしたら欧米には勝てません。むしろ日本の生きる道は、愚直ながらもスタンドアローン型の研究スタイルにあるのではと思っています。

タグ:理系

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posted by 勉三 at 00:06 | Comment(0) | 時事
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