2018年05月26日

泡でノロウィルス除去!ウルトラファインバブルの可能性

 ども勉三です。「カキのウイルス 泡で除去…ノロ食中毒ゼロへ装置」(読売新聞)というニュースが話題になっています。

 ノロウィルスは健康な大人であれば命を奪うものではなく、後遺症もほぼ無い感染症なのですが、感染直後の辛さは半端ないです。勉三も感染したことがありますが、発症から2〜3日は水様便が続くので、トイレから離れることができません。これがトラウマになって生ガキなどはとにかく避けている次第です。

 ところで、泡で除去するという今回のテクノロジーはどういったものなのでしょうか? また、本当にノロウィルスによる食中毒をなくすことができるのでしょうか? そのあたりを解説していきます。

ウルトラファインバブルとは?

 粒径が100マイクロメートル以下の泡を「ファインバブル」(FB)、さらに1マイクロメートル以下の泡を「ウルトラファインバブル」(UFB)と呼びます。ここでのファイン(fine)とは細かいという意味ですね。ちなみに1マイクロメートルは1ミリの千分の一という非常に小さな単位です。

 これらの泡(バブル)は、液体の中でマイナス電荷を持つため、プラスとマイナスの両方の部分を持つウィルスや細菌の表面のうち、プラス電荷を帯びた部分に結合するのです。この「選択的吸着」により、ウィルスの電荷は弱まり活性が低下することで殺菌や消毒の効果を発揮します。

 また、バブルのマイナス電荷により、周囲の水分子の水素基(H+)と水酸基(OH-)が「誘電分極作用」によって分離し、バブルの周りを取り囲むようになります。これにより石鹸と同様に界面活性作用を有し、この効果も殺菌や消毒に寄与していると考えられています。

 ファインバブルやウルトラファインバブルなどのバブル技術による殺菌・消毒には、従来からの塩素系薬液を用いた消毒と比べて、人体に悪影響が無い、匂いが残らないなどのメリットがあります。特にウルトラファインバブルは、ファインバブルと比べ、寿命が長いことと、サイズが小さいために細胞核に浸透しやすく、より強力な洗浄効果があることが知られています。

 従来の技術では、様々なサイズのファインバブルとウルトラファインバブルが混ざり合ったものしか作れなかったのですが、今回の技術を開発した京都市のトスレック株式会社では均一なサイズのウルトラファインバブルを作ることに成功しています。

本当にノロウィルスは除去できるのか?

 今回のニュースのポイントとして、「ノロウィルスの除去はまだ検証されていない」というところにあります。「ノロウイルスの代替ウイルスとして実験に用いられ、人間に感染しないネコカリシウイルスをマガキや岩ガキに吸着させ、UFBを含んだ海水で20時間洗浄したところ、99%以上が除去された。」と記事にある通り、あくまで他のウィルスを人為的に吸着させ、ウルトラファインバブルで洗浄したという話なのです。

 もちろん、これだけでも凄いことなのですが、「ノロウィルスが除去できるのかどうか」、また、除去できたとしても「食中毒の発症リスクを軽減できる程度まで除去できるのか」というのは今後検証が必要でしょう。

 というのも、現在用いられている紫外線照射でもノロウィルスは92%死滅させることができているわけです。しかし、ノロウィルスは非常に少ない数でも強い感染力があり、仮に99%死滅させても感染力はそれほど弱くならない可能性もあります。

 また、カキに外から人為的にウィルスを吸着させた場合は破壊できても、ノロウィルスの内部に存在する ノロウィルスを同様に破壊できるのかというところも、検証が必要かと思います。

 とはいえ、勉三もこの技術に非常に期待しているところです。ノロウィルスの感染経路はカキだけでなく、感染者の糞便などを介した二次感染も多いのですが、大元であるカキからの食中毒が減れば、全体としても非常にインパクトがあるでしょう。

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posted by 勉三 at 10:37 | Comment(0) | 時事
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