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2018年04月16日

アカギもここから始まった「天 天和通りの快男児」

 ども勉三です。福本伸行の作品といえば、「カイジ」シリーズや「アカギ」が最も有名で、以前紹介した「銀と金」あたりも最近は読まれるようになり知名度が上がっているかと思うのですが、「天 天和通りの快男児」(以下、天)になるとかなり知っている人が減るのではないかと思います。もしくは、名前だけは聞いたことはあるけど読んだことは無いという人もいるかもしれません。

 そんな方に勉三は言いたい。勿体ないと。福本作品を読んだことが無い人が入門として読むのであれば、まずはカイジやアカギの方がいいと思いますが、既に福本ワールドに抵抗がなくなるどころか中毒症状すら呈しつつあるファンの方には、ぜひとも天を読んで欲しいと思います。

アカギは天のスピンオフだった

 実はアカギはもともと天で初登場したキャラクターで、人気が高まって作者自ら別作品化したスピンオフ作品です。オリジナルよりスピンオフの方が知名度が高い珍しい例といえるでしょう。

 両作品を比べると、「アカギ」はアカギの闘牌が殆どですが、天はアカギ以外にも多彩なキャラクターが登場するのが魅力と言えるでしょう。主人公の天はもちろん、アカギを慕い生き方まで影響を受けるひろゆき、ガン牌の達人・銀二、暴力団の組長ながら現役最強という原田、アカギに対抗心を燃やす曽我など、いずれも魅力的なキャラクターたちが闘牌を繰り広げるところが天の魅力と言えるでしょう。

 また、「アカギ」で描かれているアカギでは考えられないような言動を繰り広げる、老アカギが見られる点も本作品の魅力です。「天」のアカギは「倍プッシュだ!」なんて言いません。歳を取って人間的にも成熟し、ちょっぴりお茶目になったアカギがそこにはいます。作品的には「天」の方が先なので、単にキャラが固まっていなかったのかもしれませんが…。

漫画史にも残るアカギ葬式編

 「天」の連載は1989年から2002年までの長期間に渡っており、そのストーリーは「初期編」(1〜3巻)、「東西戦編」(3〜15巻)、「葬式編」(15巻〜18巻)の3つに分けることができます。

 この連載期間の長さゆえに、「天」を読めば福本先生が漫画家として成長していく過程を辿れるようになっています。初期編はまだまだ福本カラーが固まっていなかった頃で、麻雀を題材にした人情ものとしてスタート。しかし、2巻から登場したアカギを皮切りに、濃密な心理描写を特徴とする福本麻雀の世界、いや福本漫画の型が形成されていきます。東西戦になると完全に「銀や金」や「アカギ」で見られる福本ワールドに。

 しかし特筆すべきはやはり最後の「葬式編」でしょう。近代麻雀ゴールドという雑誌で連載しながら、3巻余りに渡って全く麻雀をしないという異例の展開となりました。その内容は、アルツハイマーと診断されたアカギが安楽死することを決意し、その決行の夜に東西戦に参加したメンバーたちと一人一人会話をするというもの。麻雀漫画なのに3巻も全く麻雀をせず、死生観について語る内容はもはや漫画を越えて哲学とも呼べる内容にまで到達しています。

 ちなみに、「アカギ」は1992年から2018年までの連載なので、スピンオフといっても「天」が終わってから「アカギ」が始まったわけではなく、「天」の連載期間中に「アカギ」が始まり、先に「天」が完了した形になります。

読み始める人は1巻でめげないで

 これから読み始めるという方へのアドバイスですが、1巻で投げ出さないでください(笑)それだけです。1巻は他の有名な福本作品と全く毛色が違っていて、人情ものになっています。ですので、見方によっては「詰まらない」と思う方も多いかと思います。

 しかし2巻に入れば徐々にその後の福本作品っぽくなり、アカギも登場するので面白くなります。ですので1巻を読んだだけで投げ出さず、とにかく2〜3巻までは読んでみてください。そこからは面白くなって止まらなくなると思います。

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posted by 勉三 at 20:00 | Comment(0) | 書評
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