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2018年03月31日

「多動力」に垣間見えるホリエモン哲学

 ども勉三です。ホリエモンこと堀江貴文氏の書籍は沢山出ていますが、その中でも群を抜いて読み応えがあり示唆に富んでいるのが「多動力」(幻冬舎)です。今回は同書の読み方を解説していきます。

ホリエモンはバッサリ言い切る

 ホリエモンにはフォロワーもアンチも多いのですが、それは彼が思っていることを忖度なしで言い切ってしまうからだと思います。例えば同書にはこのような一節があります。あなたはこれを読んでどのように感じるでしょうか?

寿司屋の修行なんて意味が無い

ポイント:あなたの貴重な時間を「情報」を得るために使ってはいけない。オープンイノベーションにより、「情報」それ自体の価値はゼロになる。

 日本人は、修行や下積み、球拾いなど、苦しいことを我慢して行う美学が相変わらず好きだ。この本を読んだあなただけでもそんな空っぽな幻想から目覚めて欲しい。以前、ツイッターで「寿司職人が何年も修行するのはバカ」と投稿したら大炎上した。しかし、僕は未来のある若者が卵焼きを作るのに何年もの無駄な時間を費やすのを見ていられない。

 情報伝達手段が限られていた時代には、おいしい酢飯をどうやって作ればいいのか素人には分からなかったし、魚のうまさを最大限引き出す包丁の使い方はプロのみぞ知る専売特許だった。貴重な情報を持つ親方に弟子入りし、下積みの苦労にひたすら耐えることでしか、それらの伝統技術や情報を引き継ぐことはかなわなかった。

 (中略)現に、大阪の「鮨 千陽」の土田秀信店長は迂遠な修行は積んでいない。専門学校で3か月寿司作りを学んだだけだ。その「鮨 千陽」が「ミシュランガイド京都・大阪2016」で「ビブグルマン」部門に選ばれた。開店からたった11か月目の出来事であった。つまり、一流店になるための情報や技術などは専門学校でちゃっちゃと身に着けてしまうことができるのだ。

 いかがでしょうか? これを読んで賛同する方も反対する方もいらっしゃるかと思います。勉三の考えをいえば、ホリエモンの言っていることは1つの方向性として実際に世の中で起きていることだし、その傾向を誰よりも早く捉える才覚は素晴らしいと考えています。しかしながら、一方で「寿司職人が何年も修行するのは無駄」かというと、そこまでは言い切れない、というところでもあります。

 多くの人はこのように、意見を言う時に100%言い切りでも100%でも否定でも無く、半分肯定半分否定みたいなポジションを取ると思いますが、ホリエモンははバッサリ行きます。だから彼の発言は耳目を集め、熱狂的な信奉者もいる一方で、しばしば炎上することになるのでしょう。

ホリエモン哲学は日本人の好きな「その道一筋の職人」の反対にある

 ここで大事なことは、ホリエモンの説が正しいかどうかではありません。それよりも一段高いところから議論を俯瞰してみましょう。勉三は、世の中には2つの生き方があると思っています。1つは「その道一筋の職人」です。仕事に就いたら一生をかけてその職務を全うし、常に謙遜し、技術や腕を磨き、60歳になっても「いやあ、まだまだ未熟者ですわ」と照れながら答えるような人のことです。

 これと対極に位置するのが「要領よく世の中を渡っていくタイプ」です。1つの仕事を全うするのではなく、様々なところを渡り歩いて自らのスキルを高めるというよりは広げていく。自分の実力を謙遜というよりはむしろ誇張する。大事なのは技術を高めることではなく、いかにお金を稼ぐか。

 どちらが良いとか悪いとかの話ではありません。しかし、日本人は特に前者の「その道一筋の職人」に強く共感する傾向が強いと言えます。一方で「要領よく世の中を渡っていくタイプ」に対しては非常に冷たい。そのことは世界でも類をみないほど、転職に対するマイナス意識が強く、まだまだ終身雇用の信仰が強いことを見ても明らかでしょう。

 ホリエモンは一貫して「要領よく世の中を渡っていくタイプ」が今の時代には良いということを説いており、それは勉三も強く同意するところです。しかし、日本人にはまだまだ「その道一筋の職人」を良しとする価値観が強いので、彼の意見はしばしば対立を巻き起こしてしまうのです。ですが、こういった感情論をとっぱらってみれば、彼の言っていることは、世の中の全てではないにしても、一面については示唆に富んでいるということは言えるのではと思います

他にもホリエモンの慧眼が満載

 さてツラツラと書くのはこの辺りにして、「多動力」で書かれている中で勉三が特に共感を抱いた個所を、見出し程度ですが紹介しておきたいと思います。

見切り発車は成功のもと:すぐに始めてしまって、走りながら考えよう

飽きっぽい人ほど成功する:「飽きる」ということは成長の証だ。どんどん飽きて新しいことを始めよう。

仕事を選ぶ勇気:嫌な仕事は断る。大丈夫、仕事は逃げない。

教養無き者は奴隷になる:太い幹となる「教養」があれば、枝葉は無限に伸びていく

99%の会議はいらない:会議は短く。

小利口はバカに勝てない:リーダーはバカでいい

永遠の三歳児たれ:「多動力」は大人になるにつれ失われていく

人生に目的なんてない:今を楽しむことだけが、すべてなのだ。

最後に

 いかがでしたでしょうか。ホリエモンの価値観に抵抗がある人も一度は読んでみることをおすすめします。最近出たビジネス書籍の中では断トツに読みやすく、勉三おすすめの一冊です。

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posted by 勉三 at 11:09 | Comment(0) | 書評
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