2018年03月18日

福本漫画の金字塔「銀と金」

 ども勉三です。福本伸行さんといえばすっかり売れっ子になってしまい、最近は引き延ばしを覚えてすっかり暗黒面に堕ちてしまいましたが、今更説明する必要はない漫画家でしょう。ただ、「カイジ」シリーズや「アカギ」は読んだことがあっても、「銀と金」に関してはまだ読んだことが無い方も多いのではと思います。今回はこの作品について紹介したいと思います。

「銀と金」が福本漫画の最高傑作とされる理由

 この「銀と金」という作品は、1992年から96年まで双葉社のアクションピザッツという月刊誌で連載していたものになります。時系列でいうと、「天 天和通りの快男児」が89年開始、「アカギ」の連載が92年開始、「賭博黙示録カイジ」が96年開始なので、ちょうど福本先生の作風が固まり、人気も伸びつつあった全盛期に描かれた作品と言えるでしょう。

 単行本でいえば全11巻程度でそれほど長いものではないのですが、その分とてつもなく濃い。作品は大きく分けて、仕手戦編、連続殺人鬼編、画商編、青天井ポーカー編、誠京麻雀編、政権交代編、神威編、競馬編に分けることができます。

 例えば、画商編や青天井ポーカー編は「イカサマを逆に利用してギャンブルに勝つ」という、カイジなどその後の福本漫画の黄金パターンになったタイプのストーリーですし、誠京麻雀編はアカギの鷲巣麻雀の原型とも言うべき話なのですが、「銀と金」はそれだけに留まりません。

 仕手戦編では株によるマネーゲーム、政権交代編では93年〜94年頃の所謂55年体制崩壊の政治劇を題材にしたお話になっています。また、連続殺人鬼編では、単に連続殺人犯を交代で見張るというだけの設定なのですが、極めて緊迫したサスペンス作品になっていますし、神威編はさらに人間の尊厳というテーマにまで踏み込んだ意欲作になっています。

 このように、どの編も全て違った魅力があり、福本先生の引き出しの殆どがこの作品に詰まっているといっても過言ではありません。これが「銀と金」がしばしば最高傑作に推される理由かと思います。

「銀と金」の名言を紹介

 ここでは同作の中から勉三の心に特に残っている名言を紹介したいと思います。場面は1巻で、主人公の森田が、仕手をたくらんでいた梅谷と会話している場面。

森田「ねえ、梅谷さん、この仕手始める前はどれぐらい資産があったんですか?」

梅谷「五十億」

森田「それ今回の仕手で失っちゃったわけでしょ?」

梅谷「そうやな…。仕手に引き分けはあらへん。大損こくか、大勝ちか、どっちかや」

森田「ああ… それがどーしても分からない。だって五十億っていったら、もう充分じゃない! 仮に五十億が百億に増えたからといって、その百億で寿命が買える訳じゃなし。どー考えたって、これ以上の金なんていらないじゃん…! まあ…それでも増える分には構わないっすよ。でも今回みたいにスッカラカンになっちゃう事だってあるわけでしょっ! そーんな危ない橋渡ることないじゃん。安全に暮らしていけるよ。五十億あれば…」

梅谷「(しばし無言)。金利で食う…か?」

森田「そう! それ庶民の夢っすよ! 五十億の金利だったら仮に年六%で… えーと… 一億で月五十万… どへー、月二千五百万…! ひーっ」

梅谷「ぼうず… それは死人の考えや…。血の通った人間が金もったらそうは考えん。10人中9人は考えなくなる…。損を承知で人は生きれんのや。」

最後に

 いかがでしたでしょうか。ほかにも名言だらけの作品なのですが紹介しきれないので、この辺りにしたいと思います。「カイジ」や「アカギ」は読んだと言う福本作品ファンには、ぜひお薦めしたい作品です。

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posted by 勉三 at 15:00 | Comment(0) | 書評
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