2018年02月16日

論理的思考力講座(4):交絡因子

 ども勉三です。論理的思考力講座の4回目。今回のお題は「交絡因子」(こうらくいんし)について。こう書くと難しそうに聞こえますが、概念はいたってシンプルなものです。

まずは簡単な例題から

 交絡因子とは何かを説明する前に、皆さんの論理的思考力を見るために簡単な例題を出したいと思います。

 ある調査によると、読書量と年収の間には強い相関があることが分かった。高年収になるためには読書をすることが有効であると考えられた。

 「読書量と年収の間には強い相関がある」事が正しいとして、「高年収になるためには読書をすることが有効である」という考察は妥当でしょうか? これが例題です。

読書量と相関のある他の要素の方が、年収と関連性が強いかもしれない

 結論から言うと妥当ではないでしょう。例えば、読書量と年齢に強い相関があったらどうでしょうか? 年齢と年収には直接的な因果関係があるので、年齢を介して読書量と年収にも相関が生じることになります。とすれば年収を決めているのはあくまで年齢であり、読書量は関係がないということになってしまいます。

 従って、このデータだけでは上のような考察はできません(正しいとも間違っているとも断定できません)。このように単に相関があるだけでは因果関係があるとは限らないことは第2回の「相関関係と因果関係の違い」で説明した通りです。

交絡因子とは

 この例のように、読書量(要因)と年収(結果)の関係を考える時に、年齢のように要因と相関があり、結果に影響し、かつ要因と結果の流れの間に位置しないものを「交絡因子」と呼びます。

 この例でいえば、読書量と年収という因果関係が成立していてもおかしくはない二者の関係だったので間違いに気づきにくいのですが、白髪の量と年収(ただし労働世代に限る)としたって同様に相関は成り立つわけです。もし例題がこの形で与えらえたら、誰だって「白髪を増やせば年収が増えるわけではなく、単に年配ほど年収が高くなる傾向があるだけだ」と見抜けるでしょう。

 大切なのは、読書量と年収という一見すると成り立ちそうなケースの場合に、その裏に隠れている年齢という交絡因子の存在を予想し見抜くことです。世の中の多くの記事には、読書量と年収のグラフだけ出して「読書すれば年収が上がる」というような考察で終わらせていることが多いのです。そこで「年齢は?」と言える人、それが論理的思考力の高い人ということになります。

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posted by 勉三 at 20:00 | Comment(0) | 仕事・キャリア
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