2018年01月03日

転職講座コンサル編8:フェルミ推定を完全攻略!(2)

 お疲れ様です。勉三です。転職講座コンサル編の第8回。前回からの続きで、フェルミ推定の例題とともに解き方を解説していきます。

例題2:日本国内にある電柱の数を推定せよ。

 フェルミ推定ではよく取り上げられる問題ですね。今回はこのお題を解いていきます。

 前回、フェルミ推定の解き方の流れを以下のように整理しました。

1.何に比例するかを考える
2.式を立てる
3.式を因数分解する
4.概数を考える
5.計算する
6.説明する

 今回もこれと同じ手順で解いていきます。求めるものが変わっても基本は同じです。

1.何に比例するか考える

 前回フェルミ推定では多くの場合「人口ベース」「世帯ベース」「面積ベース」で求められると書きました。シャンプーの市場規模であれば人口ベースであることはすぐに分かりましたが、電柱の場合はどうでしょうか?

 普通に考えると人が多いところほど電柱の数も多そうです。ただ、単純な人の数より世帯の方により比例しそうです。さらに考えると、同じ世帯でも一戸建てと集合住宅では大きく異なるはずです。集合住宅の方が電柱の数は少なそう。そうなると、人口でも世帯でもなく建物の数に比例するのではと考えることができそうです。

 あるいは、面積に比例するとも考えることができます。建物数か面積か。少し考えただけではどちらもあり得そうです。そんな時は、この後のステップのことを考えてください。どちらが計算しやすそうでしょうか?

 建物数は求めるのが難しそうです。住宅だけ考えても、一戸建てと集合住宅のそれぞれの比率を仮定しなくてはならない。さらに商業施設やオフィスビル、工場などを含めると建物数の概数はなかなか設定するのが難しい感じがします。一方で面積であれば、日本の総面積、うち市街地の比率、市街地および非市街地の単位面積あたりの電柱数あたりを設定できれば推定ができそうです。よってここでは面積ベースで進めたいと思います。

 ただし、フェルミ推定には唯一の正解というものはありません。ロジックに抜け漏れなく、論理的に考えることができていれば、どんな方法であっても構いません。であれば、より簡単かつ正確に推定できそうなアプローチを選ぶのが実戦では有利といえるでしょう。しかし、建物ベースでの推定が間違いという訳ではありません。挑戦してみたい方は建物ベースでも求めてみて、面積ベースでの推定とどの程度異なるか比較してみるのも面白いかと思います。

2.式を立てる

 面積ベースで推定するという方針が決まったので、次は式を立てましょう。

電柱数(本)= 面積(平方キロ) × 単位面積あたり電柱数(本/平方キロ)

 この式自体は「電柱数は面積に比例する」ということを表現しただけに過ぎません。ですが、式に書くことでとっかかりが見えてきます。

 面積はすなわち日本の国土面積ということ。これは約38万平方キロメートルということは既知情報として使います。あとは単位面積あたりの電柱数が求まれば電柱数が求まるということになります。

3.式を因数分解する

 肝心の単位面積あたりの電柱数ですが、市街地と非市街地ではかなり差がありそうです。前回は、シャンプーの購入本数や購入単価を全人口で一律として考えましたが、今回はそれだと粗くなりすぎるのでセグメントに分けてみたいと思います。

電柱数(本)= 面積(平方キロ) × {市街地率(%) × 市街地での単位面積あたり電柱数(本/平方キロ)+ 非市街地率(%) × 非市街地での単位面積あたり電柱数(本/平方キロ)}

 いかがでしょうか? 最初の式の「単位面積あたり電柱数」の部分をカッコにし、その中に市街地部分の項と非市街地部分の項を分けました。理解しづらいという方は展開してみて頂ければ分かるかと思います。

 日本の国土面積のうち山岳地が約7割を占めているそうです。なので、3割が市街地、7割が非市街地と考えることにします。かなりざっくりした推定に思われるかもしれません。非山岳地は全て市街地であると考えていいのかどうか。また、一口に市街地といっても、東京や大阪の都心部と、一戸建てが中心の郊外では電柱の数は差がありそうです。ですが、あまり分けすぎても分からなくなりますし、フェルミ推定ではおおまかな数のあたりがつけば良いのです。分からない部分は知っている情報をもとに「えいや」で決めてしまって構いません。

4.概数を考える

 ここまで来たら後は、市街地及び非市街地の単位面積あたりの電柱数を適当に設定すれば求まります。まず市街地から。頭の中に1辺が1キロメートルの正方形を思い描いてください。そこにどれだけ電柱があるか。例えば100mごとに電柱があるのであれば、1平方キロメートルの中には10×10で100本の電柱があることになります。一辺が1キロメートルの正方形に、100m間隔のグリッドを引き、その交点に電柱があるイメージです。10mに1本だと近すぎる気がしますし、1kmに1本だと遠すぎるでしょう。ですので100m間隔を採用し、市街地の単位面積あたり電柱数は100本ということにしたいと思います。

 非市街地についても同様です。非市街地はここでは山岳地のことにしたので、殆ど電柱はないはずです。ですので、非市街地の単位面積あたり電柱数は0本と仮定します。

5.計算する

 ここまでの情報を式に代入して計算するだけです。計算過程で、前回説明したKMB法を用いています。

電柱数(本)= 面積(平方キロ) × {市街地率(%) × 市街地での単位面積あたり電柱数(本/平方キロ)+ 非市街地率(%) × 非市街地での単位面積あたり電柱数(本/平方キロ)}
 = 38万 ×{0.3×100+0.7×0}
 = 38万 × 30
 = 380 K × 30
 ≒ 400 K × 30
 = 12,000 K
 = 12 M
 = 1200 万本

 結果、日本国内の電柱数は1200万本と推定できました。なお、実際には日本国内には3300万本の電柱数があるようです。フェルミ推定では実数の1/10以上かつ10倍以下であれば合格と言っていいでしょう。ですので、今回の推定は妥当なものと言えます。もしそれ以上に実数からずれるようであれば、ロジックを見直してみたほうがいいかもしれません。

6.説明する

 面接ではここまでの思考プロセスや計算結果を面接官に説明することになります。そこで「ここはどうしてそう考えたのか?」「こう考えることもできるのではないか?」などと面接官からコメントがあると思いますが、その場合はディスカッションを楽しむようにしてください。フェルミ推定に唯一の正解はありません。どれだけ論理的に考えたかが大事です。それを面接官にアピールするようにしてください。

まとめ

 前回のシャンプーの市場規模の推定より、少し難しかったかもしれません。人口ベースや世帯ベースは比較的解きやすいのですが、面積ベースはセグメントや概数が設定しにくいことが多いといえます。

 また、前回の「日本の総人口」や、今回の「日本の国土面積」「山岳地の比率」など、フェルミ推定ではある程度知っておいた方がよい数値というものがいくつか存在します。もちろん、これらを知らなくても、それ自体をさらにフェルミ推定することも可能ですが、かなり時間がかかるので実戦では厳しいでしょう(例えば日本の国土面積をフェルミ推定で求めるのはできなくはないけど難しそうですよね)。

 ですので、論理的思考力を見るとは言っても、ある程度は常識的な数値は知っておく必要があります。以下のような数値はよく使うことになるので必ずチェックしておいてください。

  • 世界の人口(約70億人)
  • アメリカ合衆国の人口(約3億人)
  • ヨーロッパの人口(約7億人。EU加盟国は約5億人)
  • 日本の人口(約1億3000万人)
  • 日本の各年齢ごとの人口(40歳未満:約100万人/歳、40歳〜79歳:約200万人/歳、80歳以上:合計で約1000万人)
  • 日本のGDP(約500兆円。世界の約6%を占める)
  • 日本の面積(約38万平方キロメートル)
  • 日本の面積に占める山岳地の比率(約70%)
  • 主要都市の人口や面積(東京都:約1400万人、約2200平方キロメートル、東京23区:約900万人、約600平方キロメートル)
  • 日本の世帯数(約5000万世帯。約2〜3人に1世帯)
  • 日本の自動車保有台数(乗用車は約6000万台。世帯数とほぼ同じ。ここに詳しく載っている)
  • 日本のコンビニエンスストアの数(約6万店)

 コンビニの数などはそれ自体がフェルミ推定のお題になったりしますが、最初から知っていれば有利です。また、ガソリンスタンドの数を求めろと言われた場合にも、コンビニ数より少なそうだといった推測から、ある程度範囲のあたりがつくので便利です。

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posted by 勉三 at 20:00 | Comment(0) | 転職
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