2017年12月26日

転職講座コンサル編7:フェルミ推定を完全攻略!(1)

 お疲れ様です。勉三です。転職講座コンサル編の第7回。今回はフェルミ推定に絞って攻略法を徹底解説したいと思います。

フェルミ推定は対策するかしないかが全て

 第5回「ケース面接対策(基本編)」で、ケース面接のパターンを「架空ビジネスケース」「実例ビジネスケース」「フェルミ推定」の3つに分類しました。この中で、フェルミ推定は最も対策が容易です。地頭とか関係なくテクニックで乗り切れるのです。

 逆にいえば地頭がよくても、対策していなければ難しいでしょう。いきなり「日本の電柱の数は?」なんて聞かれて、それっぽく答えられるのは余程の天才ぐらいです。ですが対策していれば凡才でも余裕で解答できるようになります。それがフェルミ推定です。なので、しっかり対策しておくことが必要不可欠です。

 では、ここからは例題とともにフェルミ推定の解き方を説明しましょう。

例題1:日本におけるシャンプーの市場規模(年間売上高)を推定せよ。

1.まず何に比例するか考える

 まず、フェルミ推定では推定対象(ここではシャンプーの市場規模)が何に比例するかを考えるところからスタートするのが基本です。多くの問題は「人口ベース」「世帯ベース」「面積ベース」に分類されます。シャンプーであれば消費量は人数におおむね比例するはずですよね。1人世帯より4人世帯の方が消費量は多く、ゆえに購入数も多くなる。よって世帯ベースではない。また、面積ベースでは明らかにない。よって人口ベースであろうと推測できるわけです。ここがまず第一ステップです。

2.式を立てる

 次に、思考を整理するため立式化します。お題はシャンプーの市場規模です。これをどう式で表すことができるか。第一ステップで人口に比例することが分かりました。よって式は、「市場規模=人口×1人あたり売上高」の形になるはずです。

シャンプーの市場規模(円/年)= 人口(人) × 一人当たり売上高(円/人・年) … A

 ここでカッコ内に単位を書いている点に注目してください。単位を書くことで立式の間違いを予防できます。正しく立式できていれば、単位の演算結果が右辺と左辺で一致するはずだからです(上の式の右辺の単位を掛け合わせてみてください)。

3.式を因数分解する

 「一人当たり売上高」ではイメージしにくいので、これを購入数ベースに因数分解してみましょう。売上高は本数と単価の積で表されるはず。そうすると、

一人当たり売上高(円/人・年)= 一人当たり購入本数(本/人・年) × 購入単価(円/本) … B

と表されることになります。ここでも単位だけで右辺を計算してみて左辺と一致するか確認してください。単位を書くもう1つのメリットが、このように因数分解しやすくなることです。

 ここでBをAに代入すると以下の式になります。

シャンプーの市場規模(円/年)= 人口(人) × 一人当たり購入本数(本/人・年) × 購入単価(円/本)… C

 さて、これで道筋が立ちました。このうち、日本の人口は約1億3千万人ということは常識です。あとは、一人当たり購入本数と購入単価が分かれば、シャンプーの市場規模が求まることになります。

4.概数を考える

 では、シャンプーの一人当たり年間購入本数はどれぐらいなのでしょうか? 男性より女性の方が使用量が多そうですし、同じ男性の間でも毛髪の多い少ないで差がありそうです。また乳幼児や子供は大人と比べると少ないという年齢のファクターもありそうです。

 また、購入単価もシャンプーによって異なるはずです。美容に関心の高い女性はロクシタンなどの高級品を使っているでしょう。

 フェルミ推定の対策本などを見ると、ここでセグメントなど細かく場合わけしていることが多いです。ですが、実戦では時間がタイトです。細かく分けて計算が複雑になり失敗するよりは、なるべく分けない戦略を推奨します。

 もちろん分けることが必要な場合は分けなければなりません。その見極めポイントは「分けることで推定結果の桁が変わってくるレベルかどうか」です。フェルミ推定はあくまで概算を求めるもの。推定結果が数倍ずれるぐらいは問題ないのです。許容範囲の目安は桁が変わるかどうか。つまり1/10以下になるか、10倍以上になるかです。

 シャンプーの例でいえば、消費量に個人差があるといっても10倍の範囲に収まるはずです。また、単価も殆どの人が使うシャンプーは10倍の価格差に収まるはず。なかには100倍ぐらいする超高級品を使っている人もいるかもしれませんが、そんな人が数万人に1人なら全体の推定結果への影響は無視できるレベルになります。よって、ここでは一人当たり購入本数や単価を分ける必要はありません。分けなくていいなら分けない方が計算が少なくなるので安全です。

 これで方針は決まりました。あとは平均的な「一人当たり購入本数」と「単価」を適当に設定すれば求まります。みなさんはどれぐらいでシャンプー1本を使い切るでしょうか? 1か月? 3か月? どちらにしても10倍も差は生まれませんので、ここでは間をとって2か月ということににしておきましょう。つまり、一人当たり購入本数は「12÷2=6(本/人・年)」ということになります。

 単価、すなわちシャンプー1本の値段も平均的な値段を設定しておけば十分です。常識的に数百円程度であろうと思われるので、ここでは単価を「300(円/本)」としておきます。

 これで完成です。あとはCの式に代入するだけ。

シャンプーの市場規模(円/年)= 1億3000万(人) × 6(本/人・年) × 300(円/本)

5.計算する

 さて、これを計算するだけなのですが、大きい数の計算では間違えやすいので注意が必要です。勉三がお勧めするのは名付けて「KMB法」。これは、1000=10^3=K(キロ)、100万=10^6=M(ミリオン)、10億=10^9=B(ビリオン)という表記を使って大きい数を表すというものです(10^3 といった表記は 10 の 3乗 の意味です)。英語の計数単位に基づいて1000倍ごとになっています。1000はサウザンドなのでTでもいいですが、一般的にはKの方がよく使われています。

 KMB法で上の式を計算すると、

シャンプーの市場規模(円/年)= 130 M(人) × 6(本/人・年) × 300(円/本)
 = 130 × 6 × 300 M
 ≒ 800 × 300 M
 = 240,000 M
 = 240 K × M
 = 240 B
 = 2400 億円

となります。分かりやすくするために細かく計算過程を記載しましたが、慣れれば省略してできるようになります。KとMを掛けたらBになるのがポイントです。分かりにくければ指数表記で考えると納得できるはず(10^3 × 10^6 = 10^9)。また途中で計算をシンプルにするために概数に置き換えていることも注目ください。フェルミ推定は大雑把に推定すればよいので、細かい数値は重要ではないのです。計算ミスを防ぐためにも適宜四捨五入して単純な数字に置き換えましょう。

 KMB法は欧米方式の数え方ですが、日本式の「万億兆法」を使っても構いません。万億兆法では、10^4=万、10^8=億、10^12=兆 となります。KMB法と異なり、10000倍ごとに単位が変わる点に注意してください。

シャンプーの市場規模(円/年)= 1.3 億(人) × 6(本/人・年) × 300(円/本)
 = 1.3 × 6 × 300 億
 ≒ 8 × 300 億円
 = 2400 億円

 「万億兆法の方が簡単じゃないか。どうしてKMB法を勧めるんだ?」と思うかもしれません。それに対する回答としては、基本的にはどちらでもいいですが、どちらかに統一して使うほうがいいということ(使い分けるとミスが多くなる)。そのうえで、勉三がKMB法に統一することを勧める理由は、(1)日本人以外にも説明しやすいこと(2)メートル法の単位と親和性が高いこと(3)日本の統計や財務諸表も欧米式の百万や十億などを単位にしているものが多いこと (4)日本語でも数の区切りは3桁ごとの欧米式が用いられているから です。

 いずれにせよ絶対と言うわけではありません。計算が得意な人はこういったものを使わなくても問題ないでしょう。ですが勉三のようにあまり得意でない方は、このように計算法を決めておくと安全です。

6.説明する

 フェルミ推定では、答えを出すことと同じぐらい、きちんとプロセスを説明できることが大事です。数学のテストと同じで、計算結果が間違っていてもプロセスが正しければ「部分点」はもらえます。ですので、後から面接官に説明しやすいように綺麗にまとめながら解いていくことが重要です。

まとめ

 いかがでしたでしょうか? 今回は「日本におけるシャンプーの市場規模を推定せよ」というお題をもとに、フェルミ推定の解法を解説しました。ただ今回の問題は簡単な部類です。次回はもう少し難しい問題を取り上げたいと思います。

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posted by 勉三 at 20:00 | Comment(0) | 転職
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