2017年12月17日

転職講座12:退職交渉〜引継ぎ〜退職

 転職講座もいよいよ最終回! 今回は、めでたく内定を獲得した後の退職に向けての流れを解説していきます。なお、当然ながら今回は在職しながら転職活動されていた方のみに関係する話ですので、既に退職を決めてから転職活動した方や、辞めてから退職活動した方にとっては関係のない内容となっています。

「転職=求職+退職」であることを忘れずに!

 当たり前のことですが、内定獲得といっても転職活動が半分終わったに過ぎません。転職とは求職と退職のセット。すなわち、もう残り半分である退職というステップが残っています。

 半分という表現は決して誇張ではありません。確かに、退職は手続き通り進めていけば絶対に実現できるものです。そういった意味では、受かるかどうか、いつまで続くかどうか分からない求職活動に比べると作業に過ぎません。しかし、求職活動中に会う面接官は落ちてしまえばその時限りのものですし、落ちたとしても明日からあなたの生活や人間関係が変わるわけではありません。精神的には意外と楽なのです。

 それに対して、退職活動とは、これまであなたが築いてきた人間関係に影響を与えることです。上司、同僚、業務上関係のあった人たち、友人、家族や親戚 … そういった人たちに伝え、その反応が返ってくるということなので、はっきり言って精神的にはこちらの方が大変だったりします。

職場に退職を伝えるタイミング

 内定を得たら、後は入社日までに会社を退職すればよいだけです。しかしここにデリケートな問題が潜んでいます。それは内定を得たと思って、会社に退職を伝えたら、その後で「やっぱり無かったことに」と言われてしまうというもの。大企業であればこういった事は殆どないと思いますが、中小企業などではたまに見られる事例です。

 よくあるのが、「内定出します」と電話で伝えられ、それで内定と思い込んでしまうというもの。確かに法的には口頭でも内定は成立するのですが、正式に書面で内定通知書を受け取り、内定承諾書にサインして返送をもって内定成立と考えたほうが安全です。電話だけの内定通知よりも反故にされるリスクはぐっと小さくなります。できればその他にも正式な雇用契約書などの締結があるのであれば、職場に伝えるのはそれを待ってからでも良いでしょう。

 入社まで余程日程が迫っていてすぐに退職手続きを進めないといけないのであれば別ですが、そうでなければ退職手続きを必要以上に急ぐ必要はありません。内定成立したからといってすぐに退職しなければならないわけではないのです。内定は転職先の企業との約束。一方、退職は現職内での手続きです。入社までに退職できれば問題ないのです。

 通常、就業規則などで「退職する場合は1か月前に連絡を」などと決められていることが多いです。ただ、いきなり退職届(退職願)を出すわけではなく、まずは直属の上司に伝えたうえで日を改めて正式に提出ということが多いかと思いますし、あまりにギリギリですと引継ぎで迷惑をかけるかもしれないので、職場による部分もあるので一概には言えませんが、例えば1.5か月〜2か月前あたりに伝えるのが良いのではないでしょうか。

 なお、退職日と入社日が1日でも開いてしまうと年金などの手続きが必要になりますので注意してください。面倒であれば入社日の前日付けで退職するのが色々な面で楽かと思います。だいたい入社日は1日付なので、退職日は前月末というわけですね。なお、退職日と入社日は別に休日でも構いません。あくまで籍の問題なので、実際の最終出社日及び初回出社日と一致している必要はありません。

退職手続きの進め方

 先ほども書きましたが、ドラマのようにいきなり退職届(退職願)を出すのではなく、直属の上司に一度報告するのがベストかと思います。メールではダメです。できる限り口頭で。皆がいる中で報告も良くないので、他に人がいないところ、できれば会議室など個室で報告するようにしましょう。

 この時、相談というつもりで臨んではいけません。行うのはあくまで報告です。会社を辞めるかどうかはあなたが決めることで上司が決めることではありません。転職が決まったこと、何月をもって退職したいこと、最低限はその2点で構いません。無論、退職理由まで伝える必要は無いのですが、特に問題ないようでしたら伝えておいても良いかと思います。病気か何かかと心配かけてしまいますからね。

 転職先まで伝えるかどうかは難しいところです。異業界であれば特に問題はないかと思いますが、同業界だと伝えにくかったりすることもあるかと思います。本来は伝える必要はないことなので、その辺りは自由です。私の場合は、メーカーからコンサルだったのと、隠すより伝えたほうが気持ち的にも楽だと思ったので正直に伝えました。

 上司に伝えるところが退職活動の最初の壁です。続いて正式に退職の社内手続きを行います。これは各社によって異なるかと思いますので、上司への報告時に進め方についても確認しておきましょう。

転職理由は嘘でもポジティブに

 上司への報告時だけでなく、退職までに色々な人から何度も聞かれることがあります。それは転職理由です。上司への報告時には必ず何と伝えるか事前に考えておいてください。そして、これは嘘であっても前向きなものにしておいたほうが良いです。特定の人物や会社を批判したりすることは止めておいたほうが絶対にいいです。誰も得をしません。

 もちろん、会社に対して何か不満に思うことはないか等と聞かれることもあるでしょうし、その時に思っていることを伝えるのは構わないと思います。しかし、それが原因で転職したと解釈されないようにするべきです。会社や人間関係に不満があって転職をしたと話をしたところで、結局損をするのはあなたです。人によっては同情してくれるかもしれませんが、大したことが無いやつだと思われるのがオチです。そもそも辞める会社なんだし不満があってもどうでもいいじゃないですか。それよりはポジティブに考えていくべきです。

 だいたい、実際には転職理由なんて1つだけでは無いのではないでしょうか。会社に不満がない人なんていないでしょうし、不満のどれかが転職の決定的原因になったというより、色々なことが複合的に積み重なって、それが転職によって実現されることのメリットと天秤にかけて、転職という決断に傾いた、そういったケースの方が多いのではないでしょうか。だから正確な転職理由を他人に説明しろなんて土台不可能な話なのです。勉三はそう思っています。それなら少しでもポジティブに、こいつは大した奴だと思われたほうがいいじゃないですか。

退職は労働者の権利であることを忘れずに

 たまに、「引継のために会社からせがまれて、予定の入社日までに退職できないので、入社日を遅らせて欲しい」という人がいます。これはご法度です。内定は労働契約なわけです。予定の入社日までに退職をきちんと済ませるのは社会人としての責務です。この場合は転職先から無かったことにしてくださいと言われても文句は言えません。

 このような事態になってしまう人は嫌われたくなくて八方美人になってしまっているのではないでしょうか。まず、大前提として退職は労働者の権利なのです。規定さえ満たしていれば会社は自分の都合でいつでも辞めることができます。「会社からせがまれて退職できない」という言い訳はありえません。退職するか決めるのはあなたであって、会社ではありません。

 退職することを何も悪く思う必要はありません。会社だってずっとあなたを雇い続ける義務がないのと同様に、あなたが会社のためにずっと働く義務もないのです。

板挟みにならないように

 在職しながらの転職活動で大変なのは、内定後はあなたに関わる会社が2つあることです。1つは現職の会社。もう1つは転職後の会社。どちらか一方だけであればその会社に従っていればいいのですが、2つあるため両方の顔を立てることが不可能な時もあります。先ほど言った退職日の問題もそうです。現職は「なるべく長くいてくれ」と思っているものですし、転職先は「早く来てくれ」と思っているものなのです。

 そこで両方の顔を立てようとすると、上の挙げた例のように「会社からせがまれて入社までに退職できない」といったことになるのです。無理な場合は、今後あなたの人生にとってどちらが大事かを考えましょう。辞める会社は所詮は辞める会社。できる限り円満退社を心がけるべきですが、無理なことは無理と割り切りも必要になります。どっちつかずが一番いけません。

最後に

 さて、全12回にわたってお送りした転職講座ですがいかがでしたでしょうか? 初めて転職活動されるという方や、まだ転職するかどうかは分からないが考えている方に少しでも参考になれば幸いです。

 なお、戦略系のコンサルティングファームへの転職に関しては、筆記試験やケース面接など特別な対策が必要になるので、今後別のシリーズでその辺りを解説したいと思います。乞うご期待!

タグ:転職講座

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posted by 勉三 at 23:12 | Comment(0) | 転職
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