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2017年12月17日

転職講座11:最終面接〜内定受諾

 転職講座も11回目。いよいよ佳境にさしかかり、今回は最終面接から内定受諾までの対応について解説したいと思います。

 最終面接を経て内定を獲得するというのは転職活動で最も嬉しい瞬間です。それまで幾度となく落とされつづけ苦労してきた方であれば尚更でしょう。しかし、いくつか注意点があるので喜びのあまり気を抜かないようにしましょう。

そもそも内定とはなんぞや

 そもそも内定とは何なのでしょうか? 簡単にいえば、企業があなたを採用したいと表明し、あなたもこれに応じれば、その時点で労働契約(始期付解約権留保付労働契約と呼ばれます)が成立します。これを内定と呼んでいます。内定は書面でも口頭でも成立するのですが、口頭では言った言わないで揉める原因になりますので、書面(メールでの添付なども可)でやりとりするのが基本です。

 まず、企業側から内定通知書(オファーレター)が発行されます。これが企業からの「あなたを採用したいです」という表明になります。通常は内定通知書と併せて、労働条件通知書あるいはそれに準じた書類がついてくるはずです。そこに入社後のポジションや給与や勤務時間など諸々の条件が記載されているわけです。それを確認し、応じるのであれば内定受諾書にサインし返送します。これにより内定(=労働契約)が成立します。細かい手順は各企業によって多少異なりますが、この流れが基本になります。

 なお、日常会話では企業から内定通知書が発行された段階をもって「内定が出た」と表現することも多いかと思います。しかし、正確にはこれはまだオファーの段階で、あなたが受諾して初めて内定成立となります。本記事では誤解を避けるために、この段階をオファーあるいは内定通知と表現したいと思います。

条件交渉のタイミング

 新卒採用と異なり、中途採用では個々に労働条件が異なります。入社時期もそうですし、入社後のポジションや給与も人によってバラバラですよね。従って、内定成立までの間に条件のすり合わせというプロセスが必要になってきます。

 それをどのタイミングで行うかは企業によって異なります。1つの例としては、部長や役員クラスの面接を終えて、ほぼ内定を出すことが確定した段階で人事による最終面接を行うというもの。この人事面接で入社時期や希望年収などを伝えるというものです。それで問題なければ正式に内定通知書が発行されるというわけです。

 もう1つの例としては、部長や役員クラスで最終面接を終えたら、電話または書面で内定通知を行い、そこから条件を詰めたのち、正式に労働条件通知書とともに内定通知書が発行され、それに応諾して内定成立となるというもの。

 もしくは、もっと早期のタイミングで、例えば面接の日程調整のついでに希望年収や入社時期などを聞かれることもあります。

 いずれにしても、本当の意味での内定成立(労働契約成立)には、入社時期や給与といった条件が必要なので、それまでに何らかの形で条件を決めるプロセスがあります。逆にいえばそれらが決まっていなければ、本当の意味での内定とは言えないでしょう。

 なお、労働条件通知書などが発行された後は、入社時期や給与について変更するのは難しくなります。「これこれの条件でこの人を採用する」という稟議を社内で通した上で発行しているわけですから、条件の変更はもう一度稟議をやり直すということです。ですので、条件交渉に関しては内定通知前に行うのが大原則になります。

条件交渉のコツ

 言うまでもないですが条件交渉は非常に重要なステップです。入社時期1つとってみても、一旦決めた後で、もしその入社日から転職先の会社に勤務できないということになれば、契約違反になり内定取消になっても文句は言えません。

 大事なのは理由とともに明確かつ堂々と希望を伝えることです。例えば現在が6月中旬で9月1日付の入社を希望しているのであれば、「入社時期としては9月1日を希望します。理由としては、現職の就業規則では遅くとも1か月前に退職の意思を伝えることとなっています。また、現在担当している業務の引継ぎなどを考えると2か月程度は欲しいと考えております。9月1日入社であれば、引継ぎも終えて円満に退職できると思います。」といった具合にです。余程急いでいてすぐに人が欲しい場合はともかく、ここまで言えば企業側も納得します。

 一番いけないのは、「少しでも早いほうがいいだろう」と勝手に遠慮して「希望は9月1日ですが、場合によっては8月1日からでもなんとかなります」などと伝えてしまうことです。そうすると、企業側は少しでも早いほうがいいので「では8月1日でお願いします」となってしまいかねません。いったんオファーがでた後で、「やっぱり引継ぎなどで厳しそうなので9月1日にしていただきたいのですが」などと覆すのは、お互いにとって得になりません。

 給与に関しても同様です。もちろん、ある程度のラインというのはあり、あまりに高すぎる希望年収というのも良くないことですが、必要以上に低く伝えないようにしましょう。例えば、あなたが現職で年収800万円で、転職後は最低でも現状維持で、できれば1000万円ぐらいあれば嬉しいなと思っているとすれば、「現職の昨年度の年収は800万円でした。今年度は900万円となる見込みで、来年度は昇進が見込まれ1000万円になる予定です。また他社様からオファーを頂いており1000万を提示されております。ですので、希望年収としては1000万円です。ただし、あくまで希望ですので、現職以上であれば問題ありません」といった感じに伝えればよいでしょう。大切なのはその希望年収の理由をきちんと客観的に説明できることです。

 これが下手な人だと「現職では年収800万ですので、できればそれ以上頂ければ嬉しいですが、700万円以上でも構いません」などと、これまた勝手に遠慮してしまうのです。前者のように伝えれば年収1000万円が狙えたチャンスなのに、後者の伝え方だと年収800万円になりかねません。せっかくのチャンスなのに、非常に勿体ないですね。遠慮は不要です。高ければ採用側の許容範囲の上限になります。程度にもよりますが高めに伝えて損をすることはありません。

常に「御社が第一希望です」が基本

 就職活動でも転職活動でも、選考の過程で志望度を聞かれることがよくあります。というのも、企業側はオファーあるいは内定成立後に辞退されるのが一番嫌なんですね。選考では平気で落とすくせに、自分が辞退されるのは嫌がるという何とも身勝手なものですが仕方ありません。そこで志望度に関しては、とにかく「御社が第一希望」で通すことを基本と考えてください。こんなものは馬鹿正直に答える必要はありません。第一希望としれっと答えておいて、内定出たら平気で辞退できるのが転職では強い人間です。

 また、他に受けている会社を聞かれることもあるかと思います。本来は答える必要は無いのですが、「〇〇業界で何社か受けています。ただ、色々な会社で面接を受けている中で、御社に最も魅力を感じています。理由は〜」などぐらいは言ってしまってもと良いと思います。細かく会社名まで挙げる必要はないと思います。

 あくまで基本であって、絶対ではないということも付記しておきます。明らかに業界で中堅以下で第一志望にはなりそうにもない場合には、下手に第一志望というのは不自然ということもあります。その場合は「A社やB社なども現在受けており、正直なところそちらが第一志望なのですが、御社はその次あたりで考えております」でも構わないと思います。むしろ、A社やB社でも選考に呼ばれているということで、あなたの評価が高まる効果も期待できます。

内定成立後の辞退はダメ

 内定成立はすなわち労働契約成立なので、企業側からの取り消しは解雇相当となるため厳しく制限され、原則できないことになっています。一方、転職者の側からの辞退は退職相当になるので、実は法的には問題ありません。入社後に予定していたパソコンや研修費用などの損害賠償を請求される可能性はあるそうですが、実際に請求する企業は殆どないでしょう。そんなこと言い出したら、社員が退職する時にも損害賠償請求されかねませんからね。ただし、あくまで契約を結んだということは忘れないようにしてください。軽々しく辞退というのはNGです。

 ですので、オファーは「その会社に入る」という前提で受諾してください。それが基本です。それ以降は転職活動はやめ、選考中の他の会社は辞退しましょう。

複数の会社で迷う場合

 さて、オファーを得たのが第一希望の会社であれば何も文句を言うことはないでしょう。問題は他に志望度の高い企業の選考がまだ続いているというケース。これは非常に悩ましいところです。

 通常、内定通知書には期限というものがあり、受諾する場合は1週間程度での返送を求められます。多少の融通は利くかもしれませんが、それでも2週間とかそれぐらいのレベルの話。基本的に猶予は短いと考えてください。

 ですので、複数の会社で迷っている場合にはオファー前からの調整が必要です。具体的には、志望度の低い企業の選考を少しでも遅らせ、志望度の高い企業から先に内定がもらえるようにスケジュールを調整することです。

内定受諾後は?

 晴れて内定受諾したらひと段落です。しかし、在職中の方はまだ半分。ここから退職に向けての活動が必要になります。これについては次回に。

タグ:転職講座

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posted by 勉三 at 13:51 | Comment(0) | 転職
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