2017年12月13日

部門横断チームがうまくいかない理由

 ども勉三です。最近は、従来の会社組織の枠組みではうまく解決できない問題が増え、複数の部門をまたいで部門横断チームが結成されることが多くなりました。皆さんの会社でもこういった事例はあるかと思います。しかし、必ずしも成功するものばかりではなく、結局中途半端に立ち消えということも珍しくはありません。今回は部門横断チームがうまく行く場合と行かない場合で何が違うのかを考察してみましょう。

なぜ部門横断チームの需要が高まっているのか?

 まず、部門横断チームの需要が高まっている背景ですが、デジタル化や少子高齢化の中で、ビジネスモデルまで含めた変革が必要となっている現状では、従来の機能部門の会社組織では十分に課題に対処できないというところがあります。生産、営業、開発といった機能部門別の組織は、個々の部門ごとの責任分限をはっきりさせることができるというメリットがあるのですが、どうしても全体ではなく部分最適を追及するようになるというデメリットがあります。生産部門は生産部門の目標達成だけを考え、営業部門は営業部門の目標達成だけを考えるという具合にです。

 高度成長期にはそれで良かったのですが、現在のような既存のビジネスモデルがほぼ飽和状態にある中では、部分最適ではなく全体最適を追及できるような枠組みが必要となります。そのため、部門横断的に全社的な課題に対応するチームが必要になるのは当然というわけです。しかしながら、会社は依然として機能部門別のがっしりとした組織によって運営されているため、そこに突如現れた部門横断チームは言わば異分子のようなもので、期待されたような成果を出せず掛け声だけで終わってしまいがちです。

部門横断チームが機能しない理由

 よくあるのが、直属の上司が部門横断チームでの活動を評価しないというもの。部門横断チームが結成されたといっても、個々のメンバーは会社組織上は生産だとか営業だとかの元の機能部門に属しており、成果評価もそのラインマネージャーによってなされるという場合に起こりがちです。これでは、会社組織は変えずに表面上連携させただけに過ぎません。会社は社長を頂点とした指揮系統の集合体です。指揮系統上にない組織の仕事はうまくいきません。もし部門横断チームを機能させようと思ったら、単に各部門から人が参加するだけではなく、そのチームを会社の指揮系統上に配置しなければなりません。つまり、そのチームに対して指揮をし、成果に責任を持たせるために、チームのリーダーにはラインマネージャー以上の地位と権限を与える必要があります。特に重要な任務を部門横断チームに持たせるのであれば、チームリーダーの上には部長級や役員級の者を置いて直轄し、錦の御旗とすることも効果的でしょう。

 また、これもよくあることなのですが、チームメンバーが責任感がなくリーダー任せということもよくあります。これもチームメンバーにきちんと責任をもって参加させるような仕組みが必要です。ラインマネージャー以上の地位と権限を持つチームリーダーのもとで、メンバーの成果評価をそのリーダーが行う必要があります。メンバーは部門横断チームの専任が望ましいですが、元の機能部門との兼任でも構いません。その場合は成果評価の60%を機能部門のマネージャーが行い、40%を部門横断チームのリーダーが行うなど配分方式にすることもできるでしょう。

 このように会社の指揮系統や評価系統に乗って形成される部門横断チームはおおむねうまくいきます。逆に、そうでない部門横断チームはだいたい失敗します。そういったチームでいくら頑張っても労多くして功少なしになるので、できるだけ関わらないのが吉でしょう。あなたのキャリアの特になりません。

アジャイルとの関連性

 また、最近よくアジャイルという言葉が使われます。もともとアジャイルはソフトウェアエンジニアリングにおいて、従来からのウォーターフォール型開発と対比して以前から使われてきた用語です。簡単にいうと、各工程を1つずつ順番に段階的にこなして最後にようやく完成品を作るという開発方法ではなく、まずは早く試作品を作ってそれをユーザの反応なども見ながら改良していくサイクルを繰り返すことで開発しようというものです。これが最近はソフトウェア開発のみならず、ビジネスの世界でも使われるようになってきました。

 アジャイルアプローチはその性質上、部門横断的なチームの結成を必要とします。これまでのように開発部門が製品を作り、生産部門がそれを生産し、営業がそれを売るのではなく、開発や生産や営業など様々な部門が1つのチームを形成して製品開発から行っていくわけです。そうすることで、生産サイドからの視点や、顧客の声だとか、これまで開発部門では拾いにくかった意見も拾い上げることができます。そうしてとにかく早く試作品を作り、その反応を見ながら改良を進めていくわけです。このようにアジャイルと部門横断は切っても切り離せない概念といえます。

 書店の売上ランキングでも上位になっていて話題の「BCGが読む経営の論点2018」(ボストンコンサルティンググループ編、日本経済新聞出版社)に、ビジネスにおけるアジャイルのこともよく纏められていて分かりやすかったので、より深く勉強してみたいという方にはおすすめです。しかし、BCGの出す本は良書が多いですね。単に最新の概念を紹介するだけでなく、それをどう日本の企業文化に合わせて取り込むかという視点で書かれている点が他とは違うところです。

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posted by 勉三 at 21:05 | Comment(0) | 仕事・キャリア
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