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2017年12月05日

羽生永世七冠に思う。直感力の重要性

永世七冠の凄さを解説してみる

 ども勉三です。将棋の羽生さんが遂に永世七冠を達成しましたね。1996年に7冠を達成しメディアでも大きく報道され社会現象になって以来二十余年。年齢的にももう無理かもしれないと思っていた人も少なくないだけに流石「羽生マジック」。魅せてくれますね。

 詳しくない方のために将棋界のことを解説しておきましょうか。将棋のタイトルには、竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖の7つがあり、毎年タイトルを巡って熾烈な戦いが繰り広げられます。最近は叡王というのも加わり、現在は正確には8つあるのですがややこしくなるので除外して話をします。タイトルは1つ獲得するだけでも超難関。殆どのプロ棋士は1つも獲得できず人生を終えます。ところが、羽生さんは1996年、弱冠25歳にして7つのタイトルを全て獲得してしまうという偉業を達成します。もちろん将棋史上初めてのことです。

 この七冠独占と今回の永世七冠の何が違うのかについてですが、将棋のタイトルは基本的に1年ごとに防衛するもので、1度名人を取っても翌年挑戦者に敗れれば名人ではなくなります。タイトルは終身制ではないのです。しかし、保持期間がある程度長くなると、例えば名人であれば永世名人という肩書を名乗ることが許されます。これを永世称号と言います。永世称号の名称や、獲得までの保持期間などは各タイトルによってそれぞれ微妙に異なっているので、詳細は Wikipedia の記事をご覧頂きたいのですが、例えば名人であれば通算して5期獲得すれば永世名人の称号が認められます。一度取るだけでも非常に過酷な名人位を、なんと5回も取らなければならないのです!

 それをあろうことか羽生さんは7つのタイトルについて全て永世称号を獲得してしまったのです。通常の7冠を25歳にして達成した羽生さんでさえ、永世7冠を達成するにはそれから20年以上もかかってしまいました。最大の難関は永世竜王の称号。名人が将棋界で最も歴史と権威あるタイトルであれば、竜王は最も賞金額の高いタイトル。朝日新聞と毎日新聞がスポンサーを務めてきた名人位に対して、読売新聞が対抗して作り上げたと言われる竜王位。将棋界の2大タイトルとも呼ばれ、7大タイトルでもこの2つだけは他とは別格扱いされています。この竜王戦で非常に強く、羽生さんより先に永世竜王の称号を獲得済みの渡辺明さんが壁として立ちふさがっていました。

 今回、羽生さんはこの竜王戦で渡辺さんを破り史上初の永世七冠を達成したというわけです。天才羽生といえども既に47歳。将棋は脳のスポーツですから、野球やサッカーほどではないにせよ加齢による衰えは当然あります。羽生さんも全盛期に比べれば陰りは見えてきていたのも事実で、今回竜王位を取るまでは保持タイトル数が1冠にまで減っていました。まあ、普通のプロ棋士だとは1冠取るだけでも偉業なので、1冠で衰えたと言われる羽生さんは凄すぎるのですが(笑)そんな中でファン念願の永世七冠達成ですから、本当にドラマチック。何度も言いますが「羽生マジック」(羽生さんが不利な状況から見せる逆転劇をファンはこう呼んできた)としか言いようがありません。

羽生語録:直感は7割正しい

 そんな羽生さんですが、ビジネス界にも信奉者は多く講演会などにも引っ張りだこです。とにかく話が理路整然として分かりやすいんですね。心構えだとか決断力だとかが将棋だけでなく仕事にも通用する部分が大きいというのもあると思います。羽生さんはきっと将棋の道に進んでいなくても、ビジネスの世界でも名を馳せただろうなと羽生ファンでもある勉三は信じています。

 そんな羽生さんの著書ですが、将棋そのものの専門書から、将棋とは直接関係がなく一般向けに分かりやすく書いた本まで多数。そんな中でも、一般向けで勉三のおすすめは「決断力」(角川書店)と「大局観」(角川書店)、そして「直感力」(PHP出版)の三冊。とにかく読みやすくて、そして日常の仕事、勉強、スポーツなど応用できる金言が満載です。

 それぞれ個別に書評したいぐらいですが、ひとまず今回は1つだけ勉三の心に刻まれている箇所を紹介しておきたいと思います。それは「決断力」の中の一節である「直感は7割正しい」というもの。もともと羽生さんが述べられているのは、将棋では棋士たちがとてつもなく先の先まで読んで指し手を決めているように思えるかもしれないが、実際は読まずに直感で正解はだいたい分かるということです。羽生さんの前の世代の絶対王者であった故大山康晴さんも似たようなことを仰っています。「じゃあなんで棋士はあんなに長い時間うんうん考えてるのよ」という問いに対しては、「だいたい正解は読まずに直感で分かるが、先まできちんと読み進めていくと危険な手であることもあるので、念のため問題ないか確認している」ということになるのだと思います。あくまで念を入れての確認作業なわけです。

 これってビジネスやキャリアでも同じだと思います。だいたい直感や第一感と呼ばれるものは当たっていたり、あるいは本質をついていることが多いのです。例えば、仕事をしていて周りの人も優しいし楽しいんだけど、何か消えないモヤモヤした気持ちがある。どこか満足できていない自分がいる。そういうことはないでしょうか? 多くの人は「恵まれているのに贅沢言いすぎちゃだめだ」と自分に言い聞かせ、満足できないことに蓋をして考えないようにしてしまうのですが、実はそれが自分の人生にとって大事な価値観であるとかゴールであるとかの示唆を含んでいるということがよくあります。将棋風にいえば、直感が最善手を教えてくれているのに、それに気づかず劣った手を理屈で導き出しているようなものです。まずは直感の声に耳を傾けてみませんか?

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posted by 勉三 at 21:10 | Comment(0) | 時事
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