2017年12月02日

英単語を覚えるためのマル秘テクニック(2)

辞書を引くときに語源も確認してみよう

 以前のエントリで、英単語を覚えるためには「語学は質より量。とにかく沢山の英語に接しろ。そうすれば単語は自然に覚えられる」と言いました。それを前提として、今回はさらに効率よく覚えるための方法をお伝えします。

 それは「辞書を引くときに語源も見ろ!」というものです。ただし、辞書には語源が載っていないものもあります。ロングマンやオックスフォードなどの学習者向け英英辞典には語源情報は載っていません。こういった辞書で引くなと言っているわけではありません。これらは語源は載っていなくても非常に良い辞書ですから。ただ、もし全く知らない単語が出てきたら、たまには語源が載っている辞書でも調べるようにしてみてください。

Merriam Webster で実際に調べてみよう

 勉三のおすすめは Merriam Webster という(ネイティブ向けの)英英辞典。「英語が苦手な人ほど英英辞典を使いましょう」の回でも書きましたが、この辞書は米国で日本の広辞苑のような位置づけの辞書です。この辞書が凄いのは、無料で使えるウェブ版がとてつもなく充実していること。ここまで充実している辞書のオンライン版は他にないと思います。ここなら語源も発音(発音記号だけでなく音声データ)も無料で調べることができます。

 試しに sustain で調べてみましょう。検索後のページが若干ごちゃごちゃして見づらいですが、スクロールして中ほどにある Origin and Etymology of SUSTAIN の項目をご覧ください。Etymology というのは語源だとか語源学みたいな意味ですね。

Middle English sustenen, from Anglo-French sustein-, stem of sustenir, from Latin sustinēre to hold up, sustain, from sub-, sus- up + tenēre to hold
さて、この記述を読み解くには若干約束事というか事前知識が必要です。まず、これは語の変遷を新しいほうから古いほうへ順に並べているものだと理解してください。最初の "Middle English sustenen" というのは「中英語では sustenen という形だった」という意味です。中英語というのは、中世(11〜15世紀ごろ)に使われていた英語になります。英語の歴史は、古英語(5〜11世紀)、中英語(11〜15世紀)、近代英語(16〜19世紀)、現代英語(20世紀〜)と分類されます。これも覚えておきましょう。

 続いて、"from Anglo-French sustein-" の部分は「アングロフレンチの sustein に由来する」という意味になります。ここも歴史の知識が必要です。中世の頃、イングランドはノルマン人というフランス語系の言語を話す民族に支配されていました。これがノルマン・コンクエスト(ノルマン征服)と呼ばれる事象です。この時に、上流階級の言語はノルマン人の話すフランス系言語となったため、この言葉をアングロフレンチ(Anglo-French)と呼んでいます。要は、sustain という単語はもともと英語ではなくフランス語(系の言語)からの外来語であるという意味合いになります。英語にはこういったアングロフレンチ由来の単語が非常に多いのです。日本語に中国語由来の語彙が多く存在するのに似ていますね。その次の "stem of sustenir" は 「sustein は sustenir の語幹である」ということ。

 さらにその次の "from Latin sustinēre to hold up, sustain" は「ラテン語の sustinēre (hold up や sustain と同じ意味)から来ている」ということです。フランス語、イタリア語、スペイン語などはいずれもラテン語から分岐した兄弟のような関係になります。元を辿ればラテン語に行き着くのは当然というわけですね。そしてようやく最後です。"from sub-, sus- up + tenēre to hold" は「up を意味する sub- や sus- といった接頭辞と、hold を意味する tenēre とから成る合成語」ということを説明しています。この辺りはフランス語などを勉強された方には分かりやすいと思います。sub や sus (sous) は up というより元々は under や down の意味ですね。「下から持つ」というニュアンスです。

語源を知っていると他の単語にも応用がきく

 どうでしょう? sustain という字面だけだと単なる暗記になってしまいますが、sus(下から)+ tain (持つ)と分解し、語源のストーリーも合わせて覚えると、多少は面白くなってくるのではないでしょうか? 語源と一緒に覚えるメリットはそれだけではありません。もう気づかれている方もいるかもしれませんが、maintain や contain など同じようなパーツを持つ単語が他にもたくさんありますよね。そうです。これらの tain も「持つ」という意味なのです。main(手で)+ tain(持つ)=maintain(保つ、維持する)、con(一緒に、中に)+ tain(持つ)= contain(含める、抑え込む)といった具合に、いずれもアングロフレンチ由来で同じ語幹を持つ動詞になります。日本語でも「保つ」は 手(た)+持つ(もつ)から出来ていますから、maintain は全く同じ構成という訳ですね! 面白い!

 毎回すべての単語の語源を調べるのは面倒だと思いますので、たまにでいいと思います。週1回でも1日1回でもいいので語源も調べるようにしてみましょう。ストーリーがあるほうが単語も覚えやすくなりますよ。

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posted by 勉三 at 10:09 | Comment(0) | 英語
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