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2020年10月29日

「新卒一括採用」という言葉をきちんと定義しないまま批判が先行する日本

批判されることの多い「新卒一括採用」だが、そもそも定義が曖昧

 ども勉三です。ネットの掲示板やYahooニュースのコメントなどで盛り上がることの多いのが、日本の採用慣行に関する話題。そこで決まってあがるのは「新卒一括採用を廃止しろ」という論調です。

 ですが、新卒一括採用という言葉は、皆分かったような前提で議論していますが、定義については認識がばらばらで、各自少しずつ違うことをイメージして議論しているような気がします。

 海外だとこの手の話題はまず定義をきちんと決めてから認識をあわせて議論するものなのですが、どうも日本的というか、みんなバラバラのことを考えているので話がまとまらず、どんどん概念が拡大していって、議論しても本質的な解決には至らず小手先の改善だけして終わりみたいなことになりがちです。

 この記事を書くにあたってネットで検索してみましたが、きちんと定義をしている文献は限られていました。また、その数少ない定義をしている文献も認識が間違っているために、誤った方向に議論が進んでいるものが殆どでした。今回は勉三なりに「新卒一括採用」という用語について議論をし、何が新卒一括採用の範疇であり、何がそうでないのかを明らかにしていきたいと思います。

一般に流布している新卒一括採用の定義からスタートしてみる

採用時期を分散させればクリアなの?

 まずは wikipedia に書かれている定義をみてみましょう。それによると「新卒一括採用(しんそついっかつさいよう)は、企業が卒業予定の学生(新卒者)を対象に年度毎に一括して求人し、在学中に採用試験を行って内定を出し、卒業後すぐに勤務させるという世界に類を見ない[要出典]日本独特の雇用慣行である」だそうです。

 これによると「日本独特」だそうなのですが、一体どの部分がそうなのでしょうか? 例えば、「企業が卒業予定の学生を対象に年度毎に一括して求人し」の部分についてですが、「一括」の定義が曖昧です。

 「全ての従業員採用を年度ごとに一括して行う」という意味なら、そんな企業は少ないでしょう。いわゆる中途採用はほとんどの会社で年度の特定の時期に限定せず必要に応じて行っているはずです。

では「新卒者を対象とした従業員採用を年度ごとに一括して行う」ということなのでしょうか? ですが、これも海外留学組や海外大出身者のために4月入社と10月入社などに分けて新卒採用を行っている企業は珍しくないでしょう。ではこのように年2回に分けて新卒採用を行っていれば、それでめでたく新卒一括採用の範疇から外れるということなのでしょうか?

 「いや、年2回じゃ一括しているのに近いよ」と反論されるかもしれませんが、じゃあ年3回や4回なら一括じゃないのでしょうか? どこからが一括でどこからが一括でないのでしょうか。実際、「新卒一括採用をやめて通年採用へ」といった記事も多くみられました。しかし、単純に年間の新卒採用スケジュールを複数設けることが、日本独特(ということらしい)新卒一括採用とやらの解消なのでしょうか。それで何か劇的に社会が変わるのでしょうか?

 と、このように一括という言葉からして、非常に曖昧で、定義して話しているのを見かけたことがありません。勉三は今行っている新卒採用を例えば年4回とか12回とかに分けても、単に入社時期が多少異なるだけで大きく何かが変わるとは思えません。

 ちなみに海外だって新卒者の入社時期は年1回ではないものの、月によって波があって特定の月でどっと入ってくるのが普通です。年間を通してべたーっと分散しているなんてことはありません。

そもそも新卒という区別が日本的?

 次によくある指摘としては、新卒という区分がそもそも日本特有だという指摘です。ですが、海外でもいわゆる中途は experienced、新卒者は new hire / graduate などとして区別されます。たとえ表面上区別されなかったとしても、大学卒業後に直で入ってきた人と、他の業界や会社を経験してから入ってきた人とでは、少なくとも入社時は皆の意識の中で区別があります。その点も程度の差はあれ日本と同じです。

 「新卒も既卒と同じ土俵で評価されるのが海外だ」なんて勘違いしている人もいますが、そんなことはありえません。新卒であれば学業成績やこれまでの(当然仕事以外での)リーダーシップ経験などが問われますし、中途であればこれまでの業務内容や経験の方が問われるのは海外でも同じです。

 思うのですが、海外のことを知らない人が日本のことを特殊視しすぎて、日本の採用慣行が全て日本特有であると勘違いしていることが多いと思うのです。

 こう書くとまた変な反論が飛んできそうですが、勉三は日本の採用慣行が他国と比べて特殊である点は否定していません。ただし、要素要素でみると多かれ少なかれ他の国でも同じようなことはあるのです。その程度が日本では特に強くみられる項目があるという話なら正しいですが、「海外には新卒という概念は全くなく、全ての人が勤務経験あるかどうかを問わず同じ指標で審査される」とか「海外は完全に時期を集中させず分散させて採用している」といった All or Nothing 的な議論は間違いです。

メンバーシップ型=新卒一括採用?

 もう1つ、よくある誤解として、新卒一括採用とメンバーシップ型採用を同じものとして扱っている点です。どちらも日本的な採用慣行の特徴ではありますが、これらは全く別の概念でしょう。定義が曖昧だから、このように別物なのに関連性のある概念がごっちゃになってくるのです。

 そもそも勉三はメンバーシップ型もジョブ型採用もバズワードとして捉えており、本質的な違いはないと考えています。例えば、日本企業が仮にジョブデスクリプションを定義して採用したとしても、今と大きく何かが変わるわけではないと思うからです。

 というのも、ジョブ型採用にしても、職務要件をいくらでも曖昧にして定義することができますし、そうなれば結局今の日本の人事慣行と変わらないでしょう。また、仮に職務要件がかっちり定義されていたとしても、それが厳密に守られるかどうかも別の問題としてあります。よく「外資はジョブ型採用だから自分の仕事以外はしない」と思ってる人がいますが、そんなことはありません。外資だって頼まれたらある程度は人の仕事もするし、ジョブデスクリプションだけでそこまで割り切れるものではありません。ジョブデスクリプションの内容はかなり抽象的というか高次元の職務内容であり、実際の日々の職務は必ずしもきれいに割り切れるものではないからです。

 結局、社内異動がどうとか、責任範囲が曖昧というのは、日本社会や日本人がそうだからというのが根本的な理由であり、ジョブ型採用かメンバーシップ型採用かというのは枝葉の現象にしかすぎません。日本人が運用したらジョブデスクリプションにしたがってジョブ型採用をしても、結局は今と変わらない運用になるでしょう。

じゃあ「新卒一括採用」の定義って何なの?

 ここまで、一般に流布している「新卒一括採用」の定義は曖昧であるか、あるいは殊更に日本を特殊視するあまり間違ったものになっていることを確認しました。

 では、正しい定義は何なのでしょうか? 勉三から言わせれば、新卒一括採用という用語自体がミスリーディングで適切ではないということになります。なぜなら、字面的には「新卒を年度内の特定の時期に一括して採用すること」と解釈するのが自然な解釈ですが、もしそうなら「じゃあうちは年4回採用にするからクリアね」となってしまいかねないからです。

 ですがそれで新卒一括採用に不満を抱いている人たちの怒りはおさまるのでしょうか? そうではないでしょう。

 必要なのは「新卒であることを強く重視し、年間採用枠の大きな部分を割り当てる」というのが、日本的なのであって、用語を定義するなら「新卒重視採用」というべきでしょう。

 あくまで問題は量的なものであって、質的なものではない点に注意する必要があります。つまり、新卒であるということは明示的か非明示的かを問わず世界中に存在する概念であるが、明確に定義して、かつそれを中心に採用枠を埋めることが日本的ということです。あくまで程度問題として捉えるべきでしょう。

 この定義なら、「年4回採用にしたからうちは新卒一括採用じゃないよ」という逃げも潰すことができます。新卒重視採用には年間の採用スケジュールの回数や頻度は全く関係ありません。

 また、この定義であれば、現在の日本の採用慣行に不満を抱いている人たち、すなわち氷河期世代などのように就活時期と不景気が重なってしまったがために上下の学年に比べて理不尽に損をしてしまった人たちや、新卒就職で失敗してしまったがためにその後の人生で不遇となっている人たちにとっても、それが解消されることでメリットがあるわけですから、より本質的な定義だと思います(採用時期が増えてもこれらの人たちは全く救われません)。

最後に

 いかがでしたでしょうか。今回のように用語の定義をしないまま、皆が少しずつ違うものを思い描いてて、だんだん用語の意味が変遷したり拡大したりすることが、日本での議論には多いなと感じます。

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posted by 勉三 at 01:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事
2020年10月17日

仕事で使える英語表現(22):takeaway (結論、要点)

takeaway (結論、要点)

 ども勉三です。「仕事で使える英語表現」の第22回目。今回は takeaway という名詞を取りあげます。

 take も away も誰でも知っている基本単語ですが、2つが組み合わさった takeaway はなかなか馴染みがない方も多いのではないでしょうか? この単語、ビジネスシーンではかなり頻繁に見聞きすることになります。

 例文を見てみましょう。

What do you think are the key takeaways from the meeting today?

今日の会議の結論は何だった?

 このように takeaway は話の結論や要点などの意味で使われます。conclusion や summary と同じような意味ですが、ビジネスシーンではそれらよりもよく使われていると思います。

語源は「持ち帰る」

 なぜ takeaway で要点や結論の意味になるのかも解説しておきましょう。もともとは、takeaway というのは、文字通り「持って帰る」という意味で、外食の「持ち帰り」(takeout とも言う)などの意味で使われるようになりました。

 結論や要点の意味での用法もニュアンスは同じで、「いろいろ話したけど、これだけは覚えて家に帰ってね」という意味合いで、持ち帰るもの=結論や要点という意味が発生したわけです。

 似たような表現に take-home message というものがあります。これも takeaway と同じで、これだけは覚えて家に帰ってねという意味で、結論や要点という意味で使われます。

最後に

 いかがでしたでしょうか。日本人が外国人の参加する英語での会議に出ると、議論についていけず困ってしまうこともあるかと思いますが、そんな時はすかさず What's the key takeaway? と仕切ってしまえば、そこで結論を確認することができるのでおすすめです。結局、ペラペラ話している当の本人たちでさえ結論がわからなかったりするものです。

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posted by 勉三 at 03:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 英語
2020年10月11日

仕事で使える英語表現(21):defer to (〜に任せる、従う、委ねる)

defer to (〜に任せる、従う、委ねる)

 ども勉三です。「仕事で使える英語表現」の第21回目。今回は defer to という句動詞を取りあげます。

 defer という動詞は、辞書を引くと put off や delay と書かれていて、「延期する」「遅らせる」といった意味があります。しかし、defer to という表現になると「〜に任せる」「〜に従う」「〜に委ねる」といった少々違う意味になります。

 例文を見てみましょう。

Eric: Thank you for the update. So, you mean we should revise the contract, right?

エリック: 報告ありがとう。で、契約書を修正したほうがいいということかね?


Rob: That's my suggestion. But I'd like to defer to advice from Legal division, given the complexity of the scheme.

ロブ: あくまで私からの提案という位置付けです。スキームの複雑さを考えると、法務部からのアドバイスに従うのが良いかと思われます。

 若干意訳気味ですが、ここでは最終決定を法務部に委ねており、それを表現するために defer to が用いられています。「〜に任せる」という表現は他にも、leave it (up) to somebody や it's one's call などがあり、日常会話ではそちらの方がよく使われますが、使い方によっては「彼らが決めることだ」的な若干受身的なニュアンスが出てしまう可能性もあります。

 defer to はもう少し高級でかしこまった表現で、丁寧さも加わるのでよりビジネスシーン向きです。

 もう1つ例文を見てみましょう。

That's my understanding of the situation. I will defer to John's comments as well.

以上が私の理解になりますが、ジョンさんからのコメントもお伺いしたいです。

 ここでは、defer to one's comments という言い方で、ジョンさんからのコメントに任せる、すなわちコメントをお願いしますということをやや婉曲的に表現しています。こういった場面は英語で会議などをしているとよくありますが、表現になれていないと自分がコメントを求められていることに気づかないという事態にもなりかねませんので、覚えておいた方がいいでしょう。

最後に

 いかがでしたでしょうか。今回の表現は少し難しいですが、英語でビジネスをしているとたまに見かける表現です。使いこなせるようになるとぐっとビジネス英語の洗練度が上がるので、覚えておくことをおすすめします。

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posted by 勉三 at 00:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 英語